「大変な仕事になるだろう」郵政次期社長・斎藤氏
日本郵政の次期社長に内定した東京金融取引所社長の斎藤次郎元大蔵事務次官(73)が21日夕、都内で記者会見した。
斎藤氏は、「取引所では、企業のガバナンス(統治)に取り組んだ」と述べ、その経験を生かし、郵便・銀行・保険3事業の一体運営など新政権の基本方針に沿って経営改革に取り組む考えを示した。
日本郵政は社外取締役が過半数を占める指名委員会で、斎藤氏を含む新たな取締役候補を選ぶ。臨時株主総会の承認、総務相の認可を経て、西川善文社長が辞任する28日にも、斎藤氏が新社長に就任する。
政府は26日からの臨時国会で、日本郵政グループの株式売却を凍結する法案を成立させた後、組織再編を含む抜本見直し案を盛り込んだ「郵政改革法案(仮称)」を来年の通常国会に提出する方針だ。
斎藤氏は、正式就任前であることを理由に、今後の運営方針についての青写真は示さなかったが、「大変な仕事になるだろうとの感じは持っている。一生懸命やりたい」と抱負を語った。
亀井郵政改革相はこれまで、「今の経営陣は私が責任を持って一新する」と述べ、経営陣の総退陣に踏み込む考えを示してきた。これに関し斎藤氏は、「まだ、社長でない。これからの話だ。いろんな人の意見を聞く」と述べるにとどめた。亀井郵政改革相も21日夕、斎藤氏の考えを尊重する意向を示した。一方、斎藤氏は、旧大蔵省で「10年に1人の大物次官」と呼ばれ、中枢を歩んできたため、天下り批判も根強い。これに関し、斎藤氏は、「(旧大蔵省を)辞めてからずっと民間人としての道を歩いてきた。天下りとの意識はない」と反論した。
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