バンタム級“卒業”マッチだ!!ボクシングのWBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(28)=真正=の10度目の防衛戦が20日、神戸市内のホテルで発表された。12月18日に神戸ワールド記念ホールで、WBO同級1位エリック・モレル(34)=プエルトリコ=と対戦する。長谷川は「10度目で1つの区切り。思い描いていることがある」と転級を示唆。夢の2階級制覇、米国進出へ-。日本のエースが、新たなステージへと歩を進める。
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会見の冒頭、長谷川が口にしたのはV10達成への思いではなかった。
「10回目で1つの区切り。自分の中で思い描いていることがある。勝った後に、ファンの皆さんにいい報告ができれば」
日本人史上2人目となる“大台防衛”を成し遂げた暁には、バンタム級王座を返上。そして2階級制覇、米国進出へ-。積年の夢実現に向かって、新たなステージへ進む決意を語った。
「転級はすべて会長に任せているが、自分の思いは伝えてある」
まな弟子の熱い思いを受けた山下会長は「できれば(転級)させてやりたい。後は自分の仕事」と、マッチメークに尽力することを約束。そして「米国でやるならバンタム級は小さい。フェザー級でと思っている」と、2階級上でビッグマッチを実現させる考えだ。
もちろん、すべては10度目の防衛戦をクリアすることが大前提となる。モレルは5度の防衛に成功した元WBA世界フライ級王者で、43戦41勝21KO2敗の実績を誇る。バンタム級“卒業試験”の相手としては、うってつけの強豪だ。
「過去最高にテクニックのある相手だし、自分が勝てる確率は決して高くない。10回目にふさわしい相手」と腕をぶした王者は、「テクニシャンと戦うのは好き。自分もテクニック、ひらめきには自信がある。頭がええ方が勝つでしょう」と攻略に自信を見せた。
そして「見に来るお客さんはKOシーンが見たいだろうし、その期待に応えたい」と5連続KO防衛を宣言。“最強挑戦者”を打ち倒し、バンタム級に敵なしを証明するつもりだ。日本のエースが満を持して、聖地・米国へ殴り込みをかける。