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【愛知】30カ所に無料自転車300台 「名チャリ社会実験」開始2009年10月21日
名古屋市の中心部に自転車を置き、市民に無料で使ってもらおうという「名チャリ社会実験」が20日、始まった。来年10月に生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれる名古屋。環境に優しい都市を目指す取り組みの一環だが、本格運用につながるか−。記者も1台借り、街を巡ってみた。 午後3時、中区の栄広場。「名チャリ」と書かれたオレンジ色ののぼりと数台の自転車が並んでいる。同広場は名古屋駅周辺から栄地区にかけて30あるステーションの一つだ。事業は放置自転車を減らし、二酸化炭素削減や市街地の活性化を図る。2年前から名古屋大大学院環境学研究科の竹内恒夫教授(環境政策)の研究室が取り組み、今回は市が主体に共同運営する。 ステーションで身分証明書を提示し、名前や住所を書くとその場で会員証をもらえる。スタッフが端末に会員番号と自転車の番号を打ち込み、10秒ほどで手続き完了。登録も利用も無料だ。どこかのステーションまで乗り、返却する。 市の放置自転車は年間8万台。撤去や処分に約2億円かかる。「名チャリ」の予算は約9700万円。人件費がほとんどで、国の補助でまかなう。自転車は計300台。全台、市内の放置自転車を整備し直した。全国の同種の社会実験で最大規模という。 少し走ると早くも“仲間”を発見。仕事中の会社員男性だった。「便利。もっとエリアを広げてほしい」。納屋橋、国際センター、円頓寺商店街などのステーションを回るうちに日が暮れていく。 各地で登録する人を見かける。「東京から観光で」「会社帰りに使いたい」「通勤や買い物に」と理由はさまざま。市内の会社に勤める永島有里さん(32)=江南市=も早速登録したが、「中心部は人が多くて危ないのでは」と少し不安そう。 市道路建設課によるとこの日、約530人が使った。登録者は現在、約2000人。社会実験は12月18日までで、利用時間は午前8時から午後8時まで。ホームページは「名チャリ2009」で検索。対象は13歳以上。 (日下部弘太)
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