私の他愛も無い日記とか書いています。

挑発的なマクドナルドの社長

愚問ですが なぜそんなに安くできるの マクドナルド
・原田CEOに聞く(毎日jp)


(記事より一部引用)
不況で外食を控える人も多い中、マクドナルドが絶好調
だ。「100円マック」や「無料コーヒー」など新企画を次々
打ち出し、09年上半期(1〜6月)の決算では、株式上
場以来最高の売上高を計上した。

記者:02、03年と2年連続で赤字となったマクドナルド
の再生を担い、04年3月に就任されました。その後の
業績回復はめざましいですが、どう取り組んだのですか。

原田CEO:簡単に言うと、当たり前のことをまじめにやっ
てきたということです。業績不振の時は、当たり前のこと、
基本ができていない。マクドナルドらしさを忘れている。
どこに投資を厚くし、どこを薄くするのか、戦略的に経営
資源の配分を考えていない。それを整理しました。まず
1年目は厨房設備を総取り換えしました。

記者:それはなぜですか。

原田CEO:作り置きのまずいものをお出ししていたから
です。レストランビジネスは、おいしいものをお出しする、
これがまず第一歩。自分が食べておいしいと思うものを
売らなければいけない。

記者:基本ができていなかったということですか?

原田CEO:そうです。トマトの入ったものなんて、食べら
れませんでしたから。トマトまで温かくて。それを注文を
受けてから調理を始めるシステムに変えました。(中略)
それから100円マック。「100円で買えるマック」なんて、
誰も想像してなかったでしょう。そこをバンッと提案し、
顧客を回復した。(中略)昔はマクドナルドのコーヒーは
まずいという認知でした。それで05年から機械を入れ
替え始め、08年に「プレミアムローストコーヒー」を発表
した。それも100円からのスタート。これで「買いたい
コーヒーナンバーワン」という認知を作りました。

記者:経営再建をする中で一番、力を入れたのが人材
教育ということですが。

原田CEO:名ばかり店長問題だとかありましたが、店長
の人材が育って初めてお店を開けなければいけない。
業績不振の時は、店舗、人材、情報システムに投資を
していない。それで店舗数だけ増やしたらおかしくなる。

記者:嫌な質問かもしれませんが、「名ばかり店長」問題
についてです。人件費圧縮の裏には不払い残業があった
のでは?

原田CEO:店長に残業手当を払うようにしました。結果、
10億円以上の人件費削減になりました。優秀な店長は、
クルー(店舗従業員)を採用し、育てて、店舗の質を高め
ていくわけです。店長の能力がないと、教育もできず、
クルーがどんどんやめてしまう。それで、クルーが足りず、
自分が残業する。残業手当や、管理職かどうかという問
題ではない。残業をしなくてもいいような労働環境をつく
ることが本当の問題なんです。それで、クルーを14万人
から16万人に2万人増やしました。

記者:アルバイトですか。

原田CEO:アルバイトです。店長の1時間当たりの残業
手当はクルーの時給の数倍。でも、クルーを増やしたこと
で、店長自らクルーの代行をするような、無駄な残業が
なくなりました。レストランビジネスは、ピープルビジネス
です。店舗の意識が上がらないと、絶対に売り上げは
上がりません。現在、継続して全店売り上げは上がって
いる。残業をしても残業手当が支払われず、店舗の意識
がプラスになりますか。絶対になりません。これだけの
規模、しかも上場企業で、ただ働きをさせるような経営を
していると思われること自体、レストランビジネスの基本
をご理解されてないのではと思います。本当にそう思わ
れているとしたら、あまりにも大きな勘違い、もっと言え
ば大変失礼な質問だなと思いますね。

記者:失礼ついでに、もう一つ失礼な質問を。

原田CEO:はいはい。

記者:クルーを2万人増やしたと言われましたが、非正
規労働者ですね。非正規労働者が増えていることが
社会問題化しています。

原田CEO:では、どうしたらいいとおっしゃるんですか。
全員正社員にしたらいいとおっしゃるんですか。

記者:クルーには、社員と同内容の仕事なら同程度の
額(同一労働同一賃金)を払っているのでしょうか。

原田CEO:は? 同じ仕事をさせて、人件費を安くするた
めに非正規社員にするなんていうことは、少なくともウチ
の会社ではやっていません。どこかの会社の話を持って
きて質問をされても、私は答えられませんね。大変失礼
な質問ですよ。

記者:どうもありがとうございました。

原田泳幸CEO人物略歴)
1948年生まれ。日本NCR、横河ヒューレット・パッカー
ドなどを経て90年、アップルコンピュータジャパンに入社。
97年同社社長。04年から日本マクドナルドホールディ
ングスのCEOを務める。
(引用ここまで)

なかなか挑発的な社長ですね。耳の痛い質問には逆切
れの質問返しで反撃するのですか、そうですか。記者も
痛い所(名ばかり店長、残業不払い、非正規雇用増大)
に突っ込みを入れる事を忘れていませんでしたが、合わ
せて社長のブチ切れ気味にも驚きますよねえ。

外食産業では、出来の悪い店長が勝手に残業をするの
が当たり前になっているんですか?それで不払いが横行
するのですね。扱いがコンビニの店長と一緒なんて、寒々
過ぎるなあ。そんな事をしていれば、人件費が圧縮出来
て業績回復するわけだ。まあ、これもある意味で社長の
功績ではありましょうが・・・。

そりゃあ、藤田氏の経営路線をそのまま踏襲したのでは、
うまく行かない事は分かりますけど、残業不払いを店長
の資質にも問題があるとする言い方はないでしょう、社長。
そこはぜひ改めてもらわないと。当たり前の事を指摘され
て逆切れするなんて、愚の骨頂ですよ。少なくとも不払い
は事実なんだから、反省はしないと。記者に八つ当たり
したら恥を掻くだけで損ですよ。

日本マクドナルドを短期間で建て直した経営者として、
評価は高い原田氏ですが、その一方で批判も多いとか。
Wikipediaを見ると、例えば・・・。

1)結論が最初から決まっている。
2)人の意見は聞くふりだけ。
3)現場の声を聞かない。
4)店長の残業代金不払い問題に対する反省が弱い。
5)FC拡大に力を注ぎ過ぎる。

要は、これだけのワンマンな発想と行動力があったから
こそ、大きな業績回復を果たせたと言う事なんでしょう。

マクドナルド賃金訴訟:「名ばかり」管理職、4元店長も和解(毎日jp)

(記事より引用)
ハンバーガーチェーン「日本マクドナルド」(本社・東京都
新宿区)の元店長の男性4人が、管理職扱いされ時間
外手当を支払われなかったのは違法として、同社に残業
代など計約1700万円の支払いを求めた訴訟は26日、
東京地裁(松田典浩裁判官)で和解が成立した。

関係者によると、同社が和解金を支払うが、詳細な和解
内容は公表しないことで合意したという。

4人は95〜07年に都内で店長を務めたが、「管理監督
者」の地位にあるとの理由で残業代を支払われなかった
として、08年3月に提訴していた。原告側弁護士は「納得
できる和解内容と考えた」と話している。
(引用ここまで)

しかし、好調な業績の背景には残業不払いと言う深刻な
火種があったわけで、それに真正面から心を砕いていな
い事が残念ですね。しかも、和解の内容を明らかにしない
と言う事は、明らかに出来ない理由があるからでしょう。
二次三次の訴えに影響する事を恐れての対応じゃないか
と推測します。実際、今年3月には現職店長に残業代約
1000万円を支払う内容での和解が東京高裁で成立して
いますので、比較される事を恐れているのかもしれません。

人から指摘され、裁判で訴えられ、結局は和解し、人員
の穴埋めは非正規雇用(アルバイト)で補ったわけです
が、少なくとも原田さんは名経営者ではないと感じました。
ご本人はどう思っているのか知りませんが、今も周囲の人
に逆切れしているんでしょうかね。

NOVAの前経営者も逆切れが多かったと聞きますが、カリ
スマ経営者には逆切れ的な要素が必要なんでしょう。しか
し、人の信頼は繋ぎ止められませんよね。数年後、無理が
来なければいいですが・・・。

外食産業でFC方式はよくある営業形態ですが、会社へ
の忠誠心の低下とか品質管理の面でどうなんでしょう。
裁判沙汰になってからようやくアルバイトの増員が行わ
れたと言うのも、現場を見ていない経営者だったんだなと
思われても仕方がないですよね。経営者側に非が無けれ
ば和解なんてしないでしょうから、今の経営者にも記者の
質問に噛み付く義理はないはずなんですが・・・。
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