郵政人事に海外勢は戸惑い、円債に傾斜する都銀勢

2009年 10月 21日 14:04 JST
 

 [東京 21日 ロイター] 21日の金融市場は小幅ながら株安/債券高。返済猶予法案や日本郵政社長の人事をめぐり、日本株担当の海外投資家の間では戸惑いの声が出ているという。

 一方、世界的にリスク資産へのマネー流入が続く中、9月に4兆円を超える国内の公社債を買い越した都銀の投資行動が注目されている。中間決算期末を前にした例のない投資行動なだけに、仮にこのまま円債買いに傾斜していくとすれば、金利の上昇は意外に抑えられる展開も考えられる。

 <海外勢が内需関連売り>

 日経平均は小反落。手掛かり不足で前日の米株安に追従する展開となった。ファーストリテイリング(9983.T: 株価, ニュース, レポート)など一部の値がさ株が上昇し指数を下支えしたが、東証1部の値下がり銘柄が1000を超えるなど全般はさえない。市場では「26日に臨時国会が召集されるが、返済猶予法案の行方などを含め、まだ帰すうを見守る必要がある材料が多く、投資家の手足を縛っている。来週から日本の9月期決算発表が本格化することも、現時点での手控え気分を強めている。こうした中では米株など海外株の動向に左右されやすい」(みずほ証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏)との声が出ている。

 亀井静香郵政担当相は21日、前日辞任を表明した西川善文日本郵政社長の後任を斎藤次郎元大蔵事務次官(東京金融取引所社長)に要請し、同氏が応諾したことを明らかにした。市場では改革路線の後退と海外勢が受け止めるのではないかとの懸念が広がっている。「海外勢はこれまで日本が進めてきた改革路線が逆戻りしたとみており、住友不動産など不動産をはじめ建設、食料品、小売といった内需関連株の売りを加速させている」(邦銀系の株式トレーダー)。

 政権交代によるいろいろな変化に海外投資家は戸惑いを感じているという。ある外資系証券アナリストは「矢継ぎ早に新しいニュースが出てくるので海外投資家は不透明感が強くなっていると受け止めている。これから日本がよくなるのか悪くなるのかは現時点ではわからないが、あえて低パフォーマンスの日本株を買おうという気にはならないようだ」と指摘していた。

 <都銀勢の円債大量買い、継続性が焦点に>

 円債は小じっかり。前日の米債市場の上昇などを受けて買いが先行、調整売りが続いていたこともあって買い戻しが入りやすい。  続く...

 
 
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今年に入ってからのコモディティ市場の動きに対し、筆者が20年間培ってきた経験やノウハウの正当性について、疑問を感じる局面が極めて多くなっている。  ブログ