昨年7月に左ひざ軟骨損傷の手術をしたJ1広島の下田が30日、安芸高田市の吉田サッカー公園であった練習で、約1年ぶりにフルメニューをこなした。33歳になった元日本代表GKが復帰への階段を一つ上がった。
▽手術の左ひざ 違和感なし
実戦練習が始まる前に佐藤寿が「シモさん、お帰り」と叫び、チームメートが拍手。「照れくさい」と笑いながら、練習では大声で的確な指示を出し続けた。
歩行訓練などのリハビリを経て、5月下旬から望月GKコーチと個別に練習する。しかし、この日の練習参加は想定外だったという。中林が左ひざに違和感を訴え別メニューとなったため、急きょ、全体練習に加わった。約40分間の実戦練習で、練習生の宮崎経産大の村尾龍弥と交代しながら、ゴール前に立った。
「スムーズだったプレーと、もうちょっとと感じた部分の両方。準備不足でシュートも決められた。まだまだ」と感想を話す。左ひざに違和感があった手術前と比べ「あのころは足ばかりに気を取られていた」と、この日は難なく動けたことに手応えを感じていた。
2008年1月1日の天皇杯全日本選手権決勝以来、公式戦に出ていない。自身の離脱で始まったGK陣の相次ぐ負傷に歯がゆい思いもある。「跳んだり、ボールをけったり、ちょっとずつでもよくなっていく感覚があるから頑張れる」。ゆっくりと復活への歩みを進めている。(広重久美子、写真も)
【写真説明】約1年ぶりに全体練習に参加した下田(手前右)。手前左は佐藤寿、奥は練習生の村尾
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