|
レディ・デイ・ザ・ベスト・オブ・ビリー・ホリデイ / ビリー・ホリデイ
史上最高の女性ジャズ・ヴォーカリストだと万人が認めると言われているビリー・ホリデイ。言い表せない沢山の気持ちが深く深くこめられたような声はとても印象に残ります。
1915年、アメリカのメリーランド州で15歳の父、13歳の母のもとに生まれた彼女は、10歳で強姦された時、被害者であるにもかかわらず人種差別による偏見のため不良少女として扱われ、感化院に送られます。そして家庭崩壊。娼婦に身を落としながらも、何とかメイドの仕事を得ますが、家賃滞納で追い出され、途方に暮れた彼女はあるクラブで仕事を懇願。その場で歌った彼女の歌は多くの人の心をひきつけ、15歳の歌手ビリー・ホリデーが誕生しました。39年に大ヒットした「奇妙な果実」は、リンチに会って殺された黒人が木につるされ、奇妙な果実がぶら下がっている情景を唄った黒人の怒りと嘆きを唄う人種差別に対する抗議の歌でした。実際、この歌がレコーディングされたとき、レコードの発売をさせないような圧力がかかったと言います。想像できないほどの勇気が必要だったと思われるこの歌の発表は、大変な社会的反響を巻き起こしました。
40年代半ばには絶頂期を迎え数々の名唱を録音し後世に残しましたが、その後も数多くの人種偏見に苦しめられたビリーは、精神的苦痛から急速に麻薬に陥っていきます。ビリーがいつも長袖の服を着たり、長い手袋をしていたのは、注射針の跡を隠すためだったそうです。そして44才で生涯を終えました。彼女の人生は、ミュージカルとなり、長い間にリメイクされながら、アメリカでは今も変わらず人気作品として、あちらこちらで上演されているそうです。(日本語版でも上演されたこともあるそうです)この2枚組のアルバムは、9枚組BOXセットから抜粋した2枚組究極ベスト盤です!数多くのアーティスト、著名人達のビリーへの思いを綴ったコメントも完訳して付いています。そろそろジャズを聴いてみようかなと思っていた方にもお勧めです。彼女の魂が癒されていることを祈りながら、伝説の歌声に是非,酔ってみてください。
|
|