整列する西日本機動班の隊員ら=19日、長崎県対馬市
「対馬は韓国に非常に近く、不法出入国も多い。初めての試みだが、単に防止活動に終わるのでなく、成果をあげなければならない」。19日午後、対馬の厳原(いずはら)港。不法出入国対策に専従する「西日本機動班」の出動式で、福岡入管の井上一彦・統括入国警備官は隊員8人らにげきを飛ばした。
機動班はまず1週間、鮮魚運搬船や漁船への立ち入り検査や沿岸パトロール、漁協への通報の呼びかけなどを重点的に行い、その後も情報などに基づいて積極的に対馬に入る。福岡入管は「対馬は西日本における不法出入国の象徴的な場所。各機関と協力して、取り締まりに力を入れたい」とする。
地元住民も期待を寄せる。厳原港で客待ちをするというタクシー運転手の男性(52)は「対馬からの不法出入国の話は耳にしていた。普通に歩いていればわからないし、知らずにタクシーに乗せて加担するのも嫌だ。機動班にはぜひ頑張ってほしい」と話した。(岩本美帆)