現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

密入国次々…「国境の島」対馬警戒 福岡入管が専従班(1/2ページ)

2009年10月20日17時30分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:整列する西日本機動班の隊員ら=19日、長崎県対馬市整列する西日本機動班の隊員ら=19日、長崎県対馬市

地図:  

 朝鮮半島から直線で約50キロの「国境の島」長崎・対馬でここ1、2年、船を使った集団の不法出入国事件が相次いでいる。来日する外国人に指紋採取などを義務づける入国審査制度が導入され、それを避けるために船で対馬を経由する密入国ルートを請け負うブローカーの存在も見え隠れする。福岡入国管理局は19日、対馬に発足したばかりの専従班を派遣。入港する船への立ち入りや沿岸パトロールで、監視の目を光らせる。

 今年7月、海上保安部の巡視艇が対馬の近海で、エンジンを改造した小型の漁船を発見した。接近すると、逃走。約20分間追跡し、海保は乗っていた韓国人5人とイラン人2人の男女計7人を出入国管理法違反(不法入国)の疑いで逮捕した。

 福岡入管によると、7人は韓国から出航し、「以前に日本から強制退去されたことがあったので、指紋認証を避けるために船で対馬に入ろうと思った。日本で仕事を見つけたかった」と供述したという。供述などから、対馬経由での密入国を請け負うブローカーに頼み、乗り合わせた面々だった、と入管はみている。入国後は不法就労などで賃金を稼ぎ、帰国する例が多いとされる。一昨年12月には対馬から不法に出国しようとしたなどとして韓国人9人が逮捕された。

 日本へ入国する16歳以上の外国人(特別永住者らを除く)については07年11月から、「テロ対策」として指紋の採取・照合と顔写真の撮影が行われている。以前に強制退去処分になった人物が不正に入国するのを防ぐ狙いもある。

 福岡入管によると、新制度導入から1年間で、全国で846人について入国を拒否したという。一方、不法入国での摘発は07年で7454人、08年で6136人あった。必ず入国審査を受ける飛行機よりも、砂浜や岸壁などから乗り降りできる船での不法出入国の増加が懸念されているという。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内