「竹島問題」で韓国駐日大使が抗議、町村官房長官は「冷静な対応」求める

日本は「竹島」、韓国は「独島」と呼ぶべきだと主張して譲らない〔AFPBB News

日本は独島は「竹島」と呼ぶべきだと主張する。韓国は日本海を「東海」と呼ぶべきだと言って譲らない。

 独島/竹島を巡っては、日韓両国の外務省はそれぞれにサイバー「歴史館」のようなものを作り(韓国は9カ国語で公開している)、バーチャルな世界で戦いを繰り広げている。

 だが、どちらの主張も滑稽でしかないように見える。日本の主張は、1905年の竹島領有確認が日韓併合の最初の一歩だったという事実に触れていない。一方韓国は512年以来独島は「韓国」領だと言うが、その名前の国は1948年になるまで存在しないのだ。

 また、韓国は北朝鮮と国家としての正当性を争っており、国の名称として古文書では「朝鮮」の方が一般的だが、近年ではこの言葉は北を表すようになっているため、日本海についても「朝鮮」海ではなく「東」海という名前を主張している。他に何もない岩の塊は、はるかに広範に及び、厄介な歴史問題を象徴する存在となっている。

 日本が侵略についてもっと率直に認めれば、状況は好転するのかもしれない。日本は今まで何度も過去の野蛮な行為を謝罪しているが、その言葉は曖昧で、定義のはっきりしない損害について「深い反省」を述べるにとどまっている。

 反省の弁は、戦後50周年の終戦記念日に当時の村山富市首相が行って以来、謝罪のひな形となっている談話を含めて、そのほとんどがまず日本国民への謝罪から始まっているように聞こえる。鳩山首相も、皇室がタブーを破り、昭和天皇(第2次大戦当時の天皇)に代わって罪を認めるよう求めてはいない。

 また、単なる談話や声明ではなく、国として過去の侵略に対する悔恨を表明する法案を通すよう、国会に対し提案したわけでもない。つまり、この件に関しては、鳩山首相は型破りな変革に向かっているようには見えない。

 もっとも、韓国や中国の首脳も、鳩山首相にそれを望んでいないのかもしれない。過去の悪行を反省していないと言って折に触れて日本を叩けるというのは、そう悪くない話だからだ。

 しかし、コネチカット大学のアレクシス・ダッデン氏は、曖昧な謝罪の言葉が重ねられるほど、帝国主義の被害を実際に受けた人々は、高齢化して数少なくなったとはいえ、態度をさらに頑なにしていると指摘する*1

*1=“Troubled Apologies: Among Japan, Korea and the United States”, Columbia University Press, 2008

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