6月のモンゴル大統領就任式で、エルベグドルジ大統領(左)と握手するエンフバヤル前大統領=ウランバートル(共同) モンゴル前大統領の不正疑惑捜査 日本の宗教団体寄付でモンゴル政府の汚職対策局は20日までに、5月の大統領選で落選した議会第1党、人民革命党のエンフバヤル前大統領への寄付をめぐる不正疑惑の捜査に着手した。第2党、民主党出身のエルベグドルジ大統領は「政治腐敗の根絶」を訴えて当選しており、前大統領との対決が始まると政界に緊張が高まっている。 地元の報道などによると、前大統領は日本の宗教団体から受け取った11万ドル(約1千万円)相当の放送機材などについて「寄贈品」申告を怠り、公務員法違反の疑いがある。 前大統領はこの寄贈品を元手に、自分が強い影響力を持つ民放局「チャンネル9」を設立したとされ、同局との不透明な関係も疑惑の一部。同局は20日までのニュース番組で幹部が捜査当局の事情聴取を受けたことを認め「捜査は政治的圧力だ」とエルベグドルジ大統領を暗に批判した。 前大統領は鉱山開発などでの財界との癒着や官職売買のうわさが絶えず国民が離反、落選の一因となった。モンゴルの政界筋は「申告問題は本格捜査への突破口。大統領派は国民の支持を得るため前大統領を徹底追及する構えだ」と話す。(ウランバートル共同) 【共同通信】
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