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北九州・若松区の小5自殺:市が控訴 「1審判決携え息子の元へ」届かぬ母の願い

 北九州市立青葉小(若松区)5年の永井匠(たくみ)君(当時11歳)が自殺した原因をめぐる訴訟で、市は15日、担任教諭の体罰が原因と認めた福岡地裁小倉支部の判決を不服として控訴した。子宮がんで余命数カ月を宣告されている母和子さん(48)は「なぜ1審判決を携えて天国へ行かせてくれないのでしょうか」と声を落とした。

 判決によると、匠君は06年3月16日午後、教室を掃除中に丸めた新聞紙を振り回して女子に当てたとして、担任の女性教諭(退職)に胸ぐらをつかまれ、床に倒れた。直後に教室を飛び出した匠君は、教室に戻った時に「何で戻ってきたんね」と担任に言われ、再び教室を飛び出すと、自宅で首をつって自殺した。

 両親は「体罰が自殺の原因」として、市に8100万円の損害賠償を、独立行政法人・日本スポーツ振興センター(東京都)に2800万円の死亡見舞金を求めて提訴。今月1日の判決は「体罰が原因で自殺した」との判断を示した。

 1審で担任の行為を体罰と認める根拠となった同級生たちの証言を集め続けた和子さんは15日夕、弁護士を通じて市側の控訴を知った。証言を市側が否定していることに、和子さんは「正直に話した内容を信じてもらえず、子供たちはどれだけ傷ついているでしょう」と胸を痛める。判決後も市教委や学校関係者からの謝罪はない。

 控訴について北九州市の北橋健治市長は「市の主張がほとんど認められておらず、上級審の判断を仰ぐため控訴した」とのコメントを出した。日本スポーツ振興センターは「控訴期限は19日。対応を検討中」という。【松田栄二郎、朴鐘珠】

毎日新聞 2009年10月16日 西部朝刊

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