北朝鮮難民救援基金の主催で、19日、中国で拘束されている脱北者や支援者の救出を訴えるデモと集会が行われた。北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会、RENK、韓国のドゥリハナ宣教会なども参加した。
デモには脱北者も参加し、中国の警備員の制服を着て脱北者を模したぬいぐるみを引きずるというパフォーマンスを行った。
集会では、2001年12月に中国当局に拘束され、翌年8月に釈放されたチョン・ギウォンさん、2002年10月に7日間拘束された加藤博さん、2003年8月に21日間拘束された山田文明さん、2003年1月に拘束され、5年の実刑判決を受けて現在も服役中のチェ・ヨンフンさんの妻、キム・ボンスンさんをパネリストとしてシンポジウムが行われた。
4人はいずれも脱北者の支援に携わっていて捕まったが、結果は大きく異なっている。この点に関してチョン・ギウォンさんは、NGOやメディアが釈放を求めて大きく声をあげるかどうかが影響する、と指摘した。2002年4月に拘束され、2年6ヶ月の実刑判決を受けて服役中のチェ・ボンイルさんのケースでは、家族の要請もあって救援運動を行っておらず、まだ釈放が実現していない。昨年3月に拘束され、今月10日に無罪判決を受けて釈放されたオー・ヨンピルさんのケースでは、韓国外務省からの要請で表だった救援運動はずっと行わないできた。しかし今年5月に救援運動を開始し、デモや署名を行ったことが無罪判決につながったのではないかという。
今後の取り組みとして、山田さんは、日本政府に脱北者の受け入れを求めていくべきだ、と提案。加藤さんは中国に対して人道・人権の立場から圧力を加えていくべきだと訴えた。
北朝鮮の人権問題に関する集会は多いが、今までは北朝鮮の実情を伝えることを中心とした脱北者の証言集会が多く、また悲惨な話か、といささか食傷気味のところもあった。今回の集会は脱北者支援で捕まった人たちの解放に焦点をあてており、実践的で非常によい内容だった。事実を「知る」だけではダメだ。「変える」ために何をするのか、具体的に話し合っていく必要があると思う。
投稿者 kazhik : 2004年7月19日 23:11炎暑の中のご参加、ご苦労様でした。
私は、土・日・祝日がフル勤務の生業(といってもアルバイト待遇ですが)に就いているため、参加できず本当に残念です。
いつも辛口のkazhikさんが「実践的で非常に良い内容だった」とのことなので、今後の展開が楽しみです。
原良一のコメント(2004年7月20日 01:31)
kazhikさん、そして他の皆さん、デモ参加お疲れさまでした。
これが一つの契機になって拉致問題・北朝鮮の人権問題の前進に一層弾みが付くことを心から願っています。
「北朝鮮・チベット・中国人権ウォッチ」
http://humanrights.blogtribe.org/
Mのコメント(2004年7月20日 09:50)
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