紀の川ダム統合管理事務所 大滝ダム施設概要

大滝ダム施設概要
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非常用放流設備

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設備の役割

非常用放流設備は万が一計画洪水流量(5,400m³/s)以上の洪水流量が発生した場合に、ダムの決壊を防ぐため放流を行います。そのために、200年に1度の大洪水時でもダム本体の設計洪水位(EL.324.300m)以上に水位を上昇させない放流能力を持っています。
設計洪水位(EL.324.300m)で3,728m³/sを確保しています。非常用放流設備を設けず、ダム天端からの越流で上記条件を満たそうとするとダム天端幅が約1,300m必要となります。

設備の特徴

従来、非常用放流設備(クレストゲート)の開閉装置には、初期投資の低い、電動モータワイヤロープ式が採用されてきました。しかし、本設備においては、開閉装置が堤体内に納まり景観上すっきりする、維持費まで考えるとより経済的である、という理由から油圧シリンダ直吊り式を採用しています。

各部の解説

1.主ゲート

堤頂に突起物がなく景観上すっきりする、大型ゲートとして実績があるラジアルゲートを採用しています。

2.戸当り

扉体に設けられた水密ゴムの密着性を高めるため、コンクリートの放流路にステンレス鋼の戸当りを埋め込んでいます。

3.基礎材

扉体が受けた水圧を、ダム本体コンクリートからの反力として受け止める部分です。

4.開閉装置 揺動式油圧シリンダー式

振動式油圧シリンダ式という構造を採用しています。開閉に使われる油圧シリンダーが扉体開度によって傾きを変えるためにこのように呼ばれます。

5.放流路

常用放流設備のように高圧高速の水が流れるわけではないので、鋼製の放流管、整流板は設けず、コンクリートの放流路を採用しています。

※用語集へのリンク:

越流クレストゲート