2009年10月20日(火)

大宮駅東口が有力 にぎわい促進の核へ NHKさいたま放送局移転

 
大宮駅東口地区を有力な移転候補地としているNHKさいたま放送局放送会館=さいたま市浦和区

 NHKさいたま放送局(さいたま市浦和区常盤6丁目)が同放送会館の移転先として、再開発の戦略ビジョン策定中の大宮駅東口地区を有力視していることが、関係者の話で分かった。同局はさいたま市と連携して協議を進めたい考えで、移転が実現すれば駅東口のにぎわいを一層促進させるとともに、一大情報発信基地を中心にした街づくりも期待される。

 同局は「地元地権者の方々に理解してもらうことが第一」としながらも、「NHKが目指す“開かれた放送局”として、大宮の街づくりのコンセプトにもなる」と意欲的。「まだまだハードルは多いが、1日でも早く移転したい」と関係者にアプローチを図る構えだ。

 地権者らの行政不信を生んだ苦い経験を持つ市は、移転話に慎重になりながらも「NHKはにぎわいに効果のある望ましい機能。移転は再開発が動きだす切っ掛けになる」と話す。駅周辺戦略ビジョンでも核となり得る施設として位置付ける方向で、「地権者らとの間に立って前向きに調整していきたい」としている。

 一方、東口の地権者の1人はNHK移転を好意的に受け止めながらも「地権者の中には再開発自体への考え方がいろいろあり、まとまっていない。移転話がどういう内容か分からないが、少しタイミングが早いのでは」と言葉を選びながら語り、慎重な姿勢を崩していない。

 1966年竣工(しゅんこう)の現在のさいたま放送局は、地上3階一部地下1階。敷地面積約1990平方メートル・延べ床面積約2460平方メートルで、建物の老朽化とスペースの狭さが問題になっていた。2年半ほど前から本格的に移転先を探しており、これまで市内数カ所の候補地が挙がっていたが、新会館には敷地面積約3千平方メートル・延べ床面積約5千平方メートルの広さが必要なことや、建物の免震性などの点で難航していたという。

 同局の佐藤正副局長は「さいたま放送会館が当該地区に移転した場合には、地域の文化拠点として街のにぎわいの創出など、街づくりにも貢献できると考えている。今後は関係者のご協力を仰ぎながら、実現に向けて協議を続けてまいります」とコメント。清水勇人市長は「まずは地権者の方々との話し合いからだが、再開発の起爆剤になればと思う」と期待する。

 施設の概要や建設の目標時期などは未定だが、鉄道拠点の大宮駅近くへの移転が実現すれば、集客は県内だけでなく東北・上信越方面への展開も望める。同局は、川口市のNHKアーカイブス所蔵の番組を大画面で楽しんでもらったり、イベントに参加できるミニスタジオパークなどの整備も考えており、「多くの人に開かれた放送局を目指したい」としている。

 

他のニュースも読みたい方は...
Mobile埼玉

WEB埼玉ホームへ

 全国各地の関連ニュース


 
Copyright (C) The Saitama Shimbun. All rights reserved.