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「バイオラバーのがん抑制効果」に新たなメカニズム 近畿大学医学部の研究グループが解明

近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市、学部長:塩﨑均)の研究グループは、山本化学工業株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:山本富造)が開発した医療用素材「バイオラバー」(学術名:活性型ゴムレジン)が持つとされるがん抑制効果について、これまで指摘されてきた「がん細胞に対する直接的効果」とは異なり、生体内における間接的効果によるがん抑制のメカニズムが存在することを解明しました。

研究グループでは、今後の課題として、他の温熱治療との比較検討と、がん発生予防を目的とした研究が必要としており、これらを検証すべく現在、さらなる研究を進めています。詳細な研究成果は、来年4月に開催されるアメリカ癌学会で報告する予定です。

研究を進めているのは、近畿大学医学部の植村天受教授を中心とするグループ。2009年2月から、「バイオラバーによるがん抑制メカニズムの科学的な解明」を目的に、研究を続けてきました。

今回、行ったのは、がんに対してバイオラバーを短期間、暴露使用した場合のがん抑制効果を、培養細胞を使った(In vitro)実験と動物を用いた生体内(In vivo)実験の双方で比較検討する研究です。

通常、このような研究では、培養細胞を使った実験の方が、生体内実験より、その効果がはっきり出る場合が多いのに対し、今回のバイオラバーを使用した研究では、生体内実験(実際の患者治療に近い実験)の方が、圧倒的にがん抑制効果が大きいという、きわめてまれな結果が出ました。

さらに、複数の分析を重ねた結果、短期的には、バイオラバーが生体に影響を与え、宿主(実験で用いられる生体)自身において、間接的にがんを抑制するメカニズムが存在することを、解明しました。

バイオラバーについてはこれまで、遠赤外線(波長4~25ミクロン)を発信することによる温熱作用、すなわち「バイオウェーブ」による、直接的ながん抑制メカニズムの存在が指摘されてきました。しかし、今回、解明されたメカニズムは、生体内における間接的効果によるという点において、まったく異なるメカニズムとなります。

 

これは、生体内で惹起(誘導)された抗がん作用であることから、今後のさらなる研究によって、将来、実際のがん治療やがん予防の臨床応用に発展する可能性を示唆するものであるといえます。

参考資料

山本化学工業株式会社について
http://www.yamamoto-bio.com

「バイオラバー」について
http://www.yamamoto-bio.com/health.html

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