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きょうのコラム「時鐘」 2009年10月20日
富山は少し遅れるが、新型インフルエンザ用のワクチン接種が始まった。まず医療従事者で、次は持病などを抱える人。大方の人は当分、順番待ちとなる
肉眼では見えないウイルスという難敵が相手である。風邪に似て、風邪より厄介だといわれる。ある著名人の家へ取材で何度か足を運び、寒い日に玄関で「風邪の人お断り」という張り紙を目にしたことがある。警告プラス「人物テスト」なのだという 紙を見て引き返す人もいれば、軽い症状に高をくくり、知らんふりして入ってくる人もいる。大概、挙動でごまかしが見抜かれるのだが、そんな人に限って「お体を大切に」と、しらじらしさの上塗りまでやっていくとか 見えない敵は、実に厄介である。時に、かかなくてもいい恥や醜態までさらけ出すことになる。新型インフル上陸の報で、不気味な「マスク列島」が出現したのもそうである。不意打ちのテストで、思いもよらぬ過剰反応と群集心理とがさらけ出されてしまった どうやら2度目のテストの時期が来るらしい。「騒ぎすぎお断り」の張り紙を前に、賢く振る舞いたいものである。 |