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博士の異常な健康─文庫増毛版 [著]水道橋博士

[掲載]週刊朝日2009年10月9日号

  • [評者]温水ゆかり

■健全なる肉体は偏執な精神から

 「増毛」の二文字に目が釘付け。に、なった全国のプチや“もどき”のショーン・コネリー様、ごめんなさい、ここはあっさり。プロテイン入りシャンプーがよさそうですよ。

 さて、博士が挑んだ計6章のカラダ改善法。先の不毛地帯緑化計画から、近視矯正手術、芸能人御用達の若返り法や断食と並ぶ中、バイオラバーと加圧トレーニングの章にグッとくる。バイオラバーは北京オリンピック(08年)でスピード社の競泳水着に対抗する国産素材として有名になったが、博士がこの素材の健康効果をいち早く確認したのは03年。見た目はトホホなゴム切れだが、長年の肩凝りが雲散霧消。入れ込みついでに会社訪問し、がん治療に使われていることを知って社外応援団長に。05年、がんにはナーバスな全国紙がこの素材のがん抑制効果を報道、〇七年米国臨床腫瘍学会も承認。社長の理念も感動的だが、「健全なる肉体は偏執な精神から」と、この会社を追いかけた博士の眼力にも畏れ入る。

 ああ、加圧について書く紙幅がない。肝は成長ホルモンの大量分泌、NASAも興味津々。とにかく一冊ご購入を。いま健康な人も「生まれた時から余命80年の末期ガン」って、博士もなかなかの哲学者。

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