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信州・取材前線:ストーカー行為急増 「警告」無視、事件発展も /長野

 ◇県警が登録システム、対策室

 県内のストーカー行為の件数が過去最悪だった07年と同じペースで増加中だ。全国でも今年、ストーカー行為から殺人や拉致など凶悪犯罪に発展した事件も相次ぎ、事態を重く見た県警は、被害者の電話番号を警察に登録するシステムや、子どもや女性に対する犯罪に特化した対策室の設置などで、警戒を強めている。【大平明日香】

 ◇2カ月接触なく

 「何をしているんだ!」。8月末、大町市内の女性宅で、無施錠の廊下の窓から侵入した男が、女性の家族に発見された。同市大町、無職、林広之被告(44)=傷害と住居侵入の罪で既に起訴=の起訴状や県警への取材によると、被告は持参した金属バットを振り回して女性の父親(57)や弟(24)の頭を殴るなどしたが、取り押さえられ、大町署に傷害容疑などで逮捕された。

 被告は元交際相手の女性に復縁を迫って以前から家を訪ねるなどの行為を繰り返し、大町署が6月、文書で警告。その後2カ月は女性に一切接触していなかったという。

 逮捕後、同署の調べに被告は容疑を認め、「(女性と)話がしたかった」と供述したという。岩原英治副署長は「2カ月間、もやもやしていた思いが一気に爆発してしまったのでは」と推測する。

 ◇300件に迫る

 県警生活安全企画課によると、今年1~9月の間に県内で起きたストーカー行為の件数は289件。前年同期比36%増で、過去最多だった07年(年間で382件)と同じペースという。うち検挙はストーカー規制法違反容疑が3件、暴行・傷害などの容疑は30件あった。同課の小山満彦理事官は「凶悪事件が相次ぎ、相談する人が増えたのでは」と話す。

 同時期にストーカー行為をやめるよう県警が出した警告は30件。その9割で行為は収まったというが、それでも大町署のケースのように事件へ発展する懸念は絶えない。

 ◇情報集約を強化

 県警は8月、ストーカーや家庭内暴力(DV)の被害者の電話番号を登録するシステムを始めた。通信指令室で110番を受けると、モニターにそれまでの相談内容などが表示され、県警の対応が迅速化できるという。9月末までに7件が登録され、ストーカー被害者が4件だった。

 また同月、生活安全企画課内に子ども・女性安全対策室を設置。ストーカー事件など女性や子どもへの事案を専門に情報を集約・分析している。

 一方、要員が限られた県警の態勢には限界があるのも事実だ。ストーカー対策などを行う須坂市の「すみ探偵事務所」(清水澄雄代表)は、「無言電話の記録やストーカー行為の写真を撮るなど徹底的に証拠を集め、警察に訴えることが必要」と被害者の自己防衛の必要性も指摘する。

毎日新聞 2009年10月18日 地方版

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