昨日の毎日新聞に以下の記事が掲載された
カエンタケ 猛毒キノコ、関西で急増
ねっとでもYahooのトピックスに掲載されたので目にされた方も多いだろう
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091011-00000007-maip-soci


関西でカエンタケが増えているのは実際のところなので、警告は必要と考え、取材を受け、記事にもなったのは喜ばしいところだし、先日発行された菌学会ニュースレターで情報募集したのも同様の主旨からだ。

そこまではよいのだが、問題は「佐久間学芸員はカシノナガキクイムシが病原菌と一緒にカエンタケの胞子も運んでいる可能性を指摘。」とされたところで、そんなことこっちはひと言も言ってませんぜ、状態なのだ。コメントした本人はカシノナガキクイムシはカエンタケを運ぶとは考えていません。少なくとも今のところはね。100%否定のためには検証も必要だけれど。

やりとりを見返すとニュースレターの「ナラ枯れ病自体はカシノナガキクイムシとこの虫が運ぶ菌Raffaelea quercivoraが引き起こしていることがすでに明らかになっており(Kubono & Ito 2002)、そこにカエンタケが関与しているものではないと考えます。」という文章の「ないと考えます」がよみとばされ、しかもカエンタケと全く別の菌であるRaffaeleaが何を意味するか理解されなかったのかも知れない。上記の文は菌学会会員向けのものであり一般向けの文章ではない。報道提供にはかみ砕いたものが必要と改めて考えるところだ。

残念だがやつは何を考えているの??と思われるのも癪なので一応の意見表明をしていく。いずれにせよ大ネタなので少し長く取り組む必要はあると考えています。

ところで、カエンタケは「きのこのヒミツ」展にも実物標本が2カ所に計4個体展示されている。よろしければご覧下さい。さて、それでは今日は観察会。