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【静岡】妊婦さんの新型インフル感染防ぐ 浜松で独自方式 初期から産科医が関与2009年10月17日
新型インフルエンザから妊婦と胎児を守ることを主眼とした独自の診療指針を、浜松市の産婦人科医会が決めた。全国的な指針は、妊婦間の感染を防ぐ観点から「まず一般病院」とされているが、“浜松方式”では最初からかかりつけ医がかかわり、胎児の安全も含めた早期治療に乗り出す。一般より死亡率が4〜5倍高いとされる妊婦には、心強い味方となりそうだ。 「流産や早産の危険が高まり、胎児の健康も心配なため、産科医の関与が必要」 先月の緊急会議で浜松方式を決めた浜松市産婦人科医会「奇松会(きしょうかい)」の野田恒夫副会長(60)は、理由をこう説明する。 抵抗力が弱まる妊娠時には、新型インフルエンザへの感染の危険も高まる。日本産科婦人科学会が、原則として一般医療機関での受診を勧めているのも、妊婦間での拡大を恐れるためだ。 だが奇松会は、胎児の健康も含めて不安を抱く妊婦の思いに応えようと、一歩進んだ対応に踏み切った。 もちろん、妊婦間の感染防止にも力を入れ、個々の産科医での個室整備、裏口からの受け入れ態勢整備などを可能な限り促す方針だ。 さらに、基幹病院などとの連携も密にする。態勢整備が困難な産科医院が近隣の一般医療機関に診察を依頼したり、かかりつけの産科医が重症と判断した場合に基幹病院に受け入れを依頼したりするといった形で、医師同士の情報共有を図る。 静岡県内では今のところ重症の妊婦はいないが、県は16日、県内の受診患者が一部地域で注意報レベル(定点医療機関当たり10以上)を超えたと発表した。奇松会の野田副会長は「新型難民を出さないよう、妊婦や胎児を医療全体で守る仕組みとした。安心して相談してほしい」と話している。
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