今回の調査では、まず次のような層化三段法で調査対象者の抽出を行った。すなわち、まず従来の調査との継続性も考慮しながら、都市規模ごとに調査地点を12地点選定した。その内訳は人口が100万人を超える大都市4地点(札幌市、東京都、京都市、北九州市)、その他の中都市4地点(秋田市、静岡市、松江市、熊本市)および町村4地点(宮城県、栃木県、新潟県、高知県)である。
次に、この12地点から地域規模や学校種別、生徒数などを考慮して中学校22校、高校22校を選んだ。最後に、選ばれた学校の各学年から、当該学校とも相談しながら同意の得られた学級を調査対象集団として選定した。そして、こうして選び出された調査対象者に対して、自記式集合調査を実施した。すなわち、日本性教育協会から派遣された調査員が学級に赴いて、原則として封筒に入れたまま調査票を配布し、調査の趣旨や記入上の注意を説明した。そして、その場で調査票に記入させ、封筒に入れて回収に当たった。調査に要した時間は中学生で30分程度、高校生では40分程度であった。なお、プライバシー保護のため、調査員は生徒たちと面識のない者を派遣し、調査校の担当者(担任等)にはその場から退出していただいた。ただし、学校の事情等で担当教師がその場に残ることもあったが、その場合は机間巡視などはせずに、一か所に留まってもらった。
これに対して、専門学校および大学は、上記12地点のうち、大都市4地点および中都市4地点のなかから学校種別などを考慮して大学50校、専門学校2校を選び、教員に原則として教室で返信用封筒に入った調査票を配布し、調査の趣旨を説明してもらった。そして、調査に同意した学生が自宅等で調査票に記入し、郵送による回収を行った。
こうした調査は、2005年11月から2006年3月にかけて実施された。その結果、中学生3,953名、高校生5,324名、専門学校生254名、大学生1,616名、合計11,147名から調査票を回収することができた。そこで、このなかから全国の生徒・学生数の分布を考慮しながら、地点・学校段階・学年・性別に一定数を割り当てる形で無作為抽出を行い、最終的には表2に示した標本を今回の分析対象とした。 |