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「性暴力の苦しみ知って」…京教大で過去に被害の女性が講演

 学生6人が集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕された京都教育大(京都市伏見区)で21日、性犯罪被害者でフォトジャーナリストの大藪順子さん(38)(米国在住)が講演する。再発防止に取り組む同大学で性犯罪被害者が語るのは初めてで、同大学は「大藪さんの切実な訴えに耳を傾け、二度と加害者を出さないという決意を新たにしたい」としている。

 大藪さんは大阪府出身。1999年8月、米国の自宅に男が侵入、被害に遭った。男は懲役20年の実刑に処されたが、大藪さんは事件のショックから、しばらくパニック障害に苦しみ、生きる気力を失いかけた。

 克服の過程で性犯罪防止を訴える活動を始め、米国やカナダで被害者70人の素顔を撮影し、3年前から日本でも作品を紹介。15日には同府茨木市で講演し、「性暴力によって破壊された人生を再建できず、苦しみ続ける被害者が多いことを知って」と呼びかけた。

 同大学では事件後、人権に関する特別講義で、性暴力が被害者の尊厳を傷つける卑劣な犯罪だと学生に教えてきた。大藪さんの講演について「将来、教壇に立ち、人権擁護を説くべき学生が加害者となった事実を重く受け止め、再発防止に生かしていきたい」としている。

2009年10月18日  読売新聞)
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