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中国の火葬場、2800人分の遺骨すり替え発覚

抗議デモに発展

 中国遼寧省鉄嶺市の民間火葬場が、作業の「効率化」を図るため、遺族に手渡す遺骨を先に火葬した別人の遺骨とすり替えていた事実が発覚した。被害は2800人分に上るという。

 今月11日、問題の火葬場では遺族が82歳で亡くなった男性の遺骨を職員から受け取ったが、遺族は骨つぼが冷たいことに疑問を抱いた。火葬直後であれば、骨つぼに熱が残っているのが当然だったからだ。事務所に乗り込んだ遺族は、ある部屋に死者の遺体がまだ焼かれずに残っているのを発見した。

 遺族に追及された若い職員は、「時間を節約するため、あらかじめ火葬した他人の遺体の骨を準備し、骨つぼに入れて遺族に渡すことを先輩職員に習った」と白状した。この職員は2007年に就職してからこれまで、2800人分の遺骨をすり替えたという。

 この事実が伝えられると、市民数千人が街頭で抗議活動を行った。デモ隊1000人余りは今月14日、市政府の庁舎に押し寄せ、担当局長に集団で暴行を加えた。当初すり替えは一人分だけだとしていた火葬場側と市当局も結局、被害が2800人分に上ることを認めた。15日にほかの遺族とともに市に損害賠償を求めたある被害者は、「自分の両親ではない他人の遺骨で葬儀や法事を行った。両親の遺骨は今どこにあるのかさえ分からないなんて、悪夢だ」と泣き叫んだ。この被害者は火葬場職員に対し、「自分の親の遺骨もすり替えるつもりか」と怒りをぶちまけた。

 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは今回の事件を、「現代中国の道徳喪失ぶりを示すひどい事件だ」と報じた。

香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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