
↑2002/02/18 15:27 竹崎観望台にて撮影 H-IIA F9
(EOS 20D + 400mm = 640mm相当)
ライターの坪田敦史です。
種子島から帰って、その後忙しかったです。あっという間に3月になってしまった。
H-IIA打ち上げ3日後に予定されていたM5ロケット8号機の打ち上げは、天候の影響で1日遅れちゃいましたね。種子島と内之浦をハシゴする予定だった方もプレスセンターに何人かいらっしゃので、気になっていました。1日程度の遅延なら、現地で待機できたかと思われます。
もう少し今回のロケットネタを書きます。
先月、私が種子島に取材に行って打ち上げられた運輸多目的衛星新2号(MTSAT-2)ですが、5日後(2/23深夜)、静止軌道に乗りました。これにより、愛称は「ひまわり7号」となる。
私は気象の専門家ではなく、航空の専門家です。
なので、MTSATの航空ミッションに注目するのは当然なのですが、新聞やTVなどの一般メディアは、やはり気象衛星としての役割ばかり取り上げ、航空衛星としての機能(航空ミッション)については誤解も多く、説明も不足していると思います。
まあ、愛称が「ひまわり」ですから・・・無理もありません(-_-)。
同じ衛星でも、愛称を二つ付けてもいいのではないか。少なくとも、この衛星には全く異なる2つの機能があるわけですし、また、予算負担も航空局のほうが大きいのです。
航空ミッションについて説明するとき、私は「ひまわり」と書くことに違和感があるし、すでに打ち上げから1年が経過したMTSAT-1Rの国土交通省の資料でも、「ひまわり」の愛称はあまり使っていません。
「エムティーサット」という呼び名は、なかなかセンスがあると思うので、私の記事では、そのまま「MTSAT」と記述するつもりです。
気象衛星の映像(気象ミッション)は、日常生活に不可欠なので、これがどういう役割を持つ衛星なのか、一般の人に理解しやすい。
いっぽうの航空ミッションは、その機能について理解するのが、少々難しい?ようです。単なる通信衛星でもないし、宇宙観測を目的としたものでもないから、宇宙開発に詳しい記者も、深く説明できないかもしれせません。
航空ミッションのほうは、MTSATの運用に重大なトラブルが生じた場合、即、人命に関わってきます。早い話が航空機事故です。今後の試験運用の推移を慎重に見守る必要があり、非常に重要な内容を持っている衛星なので、ぜひ注目してもらいたいもの。
MTSATによって、太平洋上空を飛行する航空機の管制間隔を縮めるわけですが、突然衛星が機能しなくなったら、管制側はリアルタイムで航空機の位置を把握できなくなります。航空機と航空機が狭い間隔で飛行している以上、当然、ニアミスの危険が出てきます。
航空ミッションは2006年度中は試験運用を継続し、2007年度以降に本格運用が開始される予定。
私は昨年、MTSAT-1Rを運用する神戸航空衛星センターも取材しております。MTSAT-2の運用は、基本的に常陸太田航空衛星センターで行われます。
プレスセンターに来ていた記者陣には、記者会見後、気象庁の担当者より、航空局の担当者のほうに人気が集中してました。私も話に参加していましたが、記者達は航空ミッションについて理解に苦しんでいたようで、内容をわかりやすく聞きたかったんだと思います。でも、担当者がいう「管制間隔を縮める」という意味すら、なかなか理解できなかったみたい。役人が使う難しい言葉で説明されても分かりづらいので、私が雑誌や本で書いた記事を読んでくれればいいのに(笑)。
↓打ち上げ5分前のカウントダウン・ボード。竹崎観望台(プレスセンター)と発射台の位置関係。3.5km離れている。

↓竹崎観望台横のビーチ。海が綺麗!!もうちょっと暖かければ泳いじゃうよ。

↓種子島宇宙センターの施設いろいろ。クリック拡大で見てね。竹崎観望台は地図の一番下、第1射点は一番上。

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