姫路・西播磨
水損歴史資料を乾燥、復元 豪雨被害の佐用
水損した歴史資料を乾燥させる歴史資料ネットのメンバー=佐用町福中、町教委文化財調査室 |
全国の歴史研究者でつくるボランティア団体「歴史資料ネットワーク」(事務局・神戸大)のメンバーが9月1日までの4日間、豪雨災害に遭った佐用町内で、水にぬれた文書類を乾燥・復元するレスキュー活動に取り組んだ。旧家の蔵や公民館に埋もれた資料が水害で廃棄されるケースは多く、松下正和副代表(38)は「地域や家の歴史を語る貴重な資料。捨てずに相談して」と呼び掛けている。(山岸洋介)
ネットは阪神・淡路大震災を機に設立され、地震や水害で被災した歴史資料の保存活動を各地で続けている。文化財指定の有無は問わず、対象も古文書や古い雑誌、新聞、自治会や農会の記録、写真と幅広い。
県西、北部豪雨では町教委が8月12日から被災文書の調査を開始。被害が広範囲に及ぶことが確認され、ネットに協力を依頼した。
メンバーが町内の旧家や公民館を訪れ、水損した約1万点を回収。被害が軽い資料や数枚つづりまでの紙は陰干しや天日干しで乾燥させ、分厚い本はいったん冷凍し、真空状態で乾燥させる「フリーズドライ」の手法を用いている。
かつて大庄屋だった民家では、明治から昭和初めの文書が被害を受け、大正時代の「年貢米大豆入勘定帳」などが新たに見つかった。
復元できた資料は原則として返却するが、保存困難な場合は寄託先を紹介する。今後も支援を続けるといい、松下さんは「家族のアルバムや身近な人との私信でも喜んで保全のお手伝いをする。気軽に相談してほしい」と話していた。ファクス(078・803・5565)で受け付ける。
(9/2 09:03)
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