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加藤和彦さん自殺…軽井沢のホテルで

 08年5月20日、ヤマハのアコースティックギター「Lシリーズ」の魅力を熱弁する加藤和彦さん=東京・六本木
 08年5月20日、ヤマハのアコースティックギター「Lシリーズ」の魅力を熱弁する加藤和彦さん=東京・六本木

 フォークグループ「ザ・フォーク・クルセダーズ」やロックバンド「サディスティック・ミカ・バンド」のメンバーとして活躍した音楽家・加藤和彦さん(62)が17日午前、9時25分ごろ、長野県・軽井沢町のホテルで首をつって自殺しているのがみつかった。長野県警軽井沢署によると、部屋に遺書らしきメモがあったという。加藤さんは最近、うつ病にかかり周囲には「死にたい」ともらしていた。16日から音信不通状態となり、心配した知人女性らが、各所に連絡し行方を捜していた。

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 あの素晴らしい音楽をもう1度-。それが永遠にかなえられることがなくなってしまった。

 軽井沢署によると、加藤さんは、17日午前9時25分ごろ、宿泊した部屋の浴室で首をつった状態で発見された。前日に1人でホテルを訪れ、1泊の予定でチェックインしていたという。

 関係者の話を総合すると、加藤さんは最近、仕事に行き詰まりを感じていたようで、うつ病に悩まされていたという。周囲に「死にたい…」と漏らしていたようだ。そんな状態を知っていた知人女性が、16日に加藤さんに連絡がとれなくなったことから、心配して各所に連絡していた。

 もともと軽井沢は、加藤さんの知人の別荘があり、以前から音楽活動の思索を練る場所だったという。同ホテルにも頻繁に宿泊していたようだ。

 17日午前8時ごろ、この知人女性がホテルに連絡。ホテル側が加藤さんに内線電話するも、反応はなかった。そして午前8時半、同署に「客室の男性と連絡が取れない。室内を確認してほしい」と通報。午前9時25分ごろ、署員とホテル従業員が室内に入り、変わり果てた姿で見つかった。午後2時過ぎに男性関係者2人が、同署で本人と確認した。

 発見された時は、普段着姿で乱れた様子はなかった。室内にはパソコンで印字された遺書らしきメモが2通あり、別々の関係者にあてたものだったという。遺書は「外部で購入した紙」(軽井沢署)に書かれたもので、同署は計画的な自殺とみて調べを進めている。

 また加藤さんは、生前に親族や親しい知人数人に“最期の手紙”を郵送していたことも明らかになった。関係者によると「音楽でやるべきことがなくなった」などに加え、死をほのめかす内容もつづられていた。

 10月2日には松任谷由実(55)の東京公演にゲスト出演するなど、直前まで元気な姿を見せていた。90年代中盤に加藤さんが所属していた事務所の関係者は「思い悩んだりするよりはポジティブな方だったので…」と思わぬ最期に言葉をなくした。

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