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父に続き無念の最期 落選から再起の矢先 中川氏 (10/05 08:20、10/05 15:15 更新)

衆院選の落選が分かり関係者に電話をかける中川昭一氏。後方の肖像画は父・一郎氏=8月30日午後8時45分ごろ、帯広市内の中川氏の事務所

 【帯広】先の衆院選道11区で落選し、4日に急死した自民党の中川昭一元財務相は、自民党総裁選で敗れた直後の1983年、57歳で自殺した父親の故中川一郎元農水相に続き、失意の中で無念の最期を遂げた。中央政界で保守の大物、論客として名をはせた中川親子2代の悲運に、「中川王国」を長年支えてきた支持者も言葉を失った。

 「自民党再生には保守を前面に掲げるしかない。リベラルだと民主党の対抗軸にならない」。9月20日、帯広市内での自民党支部幹部会。中川氏は2日前に告示された総裁選に触れ、党再生にかける思いを訴えた。

 出席者の一人は「自身の再起とともに、自民党立て直しのために保守派の結集軸になる−という強い意欲を感じた」と語り、党支部や個人後援会も近く、次期衆院選に向けた体制づくりを本格化させる手はずだった。

 「まさか親子とも、志半ばで倒れるとは。人間の運命は分からない」。一郎氏時代からの支持者で、中川氏が「お母さん」と慕った帯広市の紫竹(しちく)ガーデン代表紫竹昭葉(あきよ)さん(82)は、突然の訃報(ふほう)に声を詰まらせた。

 紫竹さんは3週間ほど前、同ガーデンに立ち寄った中川氏の求めに応じスープカレーを出した。中川氏は食べ終えると、「ゆっくりしていきたいけれど、これから支持者を50軒回らなきゃいけないんだ」と笑顔で立ち去ったという。<北海道新聞10月5日朝刊掲載>

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