練習中、吉見(左)と談笑するチェン。中央は朝倉
「セ・リーグCS第1S、中日-ヤクルト」(17日開幕、ナゴヤドーム)
逆転日本一への第一関門。決戦前日、ナゴヤドームでの練習。中日・落合監督はただの一度もグラウンドに姿を現すことはなかった。監督室にこもり、ドア越しに聞こえる威勢のいい声と、乾いた打球音が鼓膜を震わせ、自身は静かに心を落ち着かせていたのだろう。
「何もないって。前に話した通りだ」。この中間、オレ流指揮官が発した言葉は、これだけ。腹を固め、戦う態勢を整えた。
目前での胴上げを許した9月23日、「この状況にオレが手をこまねいていると思うか。見くびるな」とリベンジを誓った。本拠地最終戦の9月30日には、「日本シリーズ第3戦の11月3日に、我々の戦う元気な姿をお見せしたい」と、CSを勝ち上がり、最終ステージに駒を進める青写真をファンに伝えた。
男の言葉に二言はない。12ゲームの大差をつけられた2位だろうとも、日本一を奪い取るチャンスと権利がある。07年の再来。ペナントレースで味わった敗北感と屈辱を晴らすため、落合竜が目前の敵を叩きのめす。
(2009年10月16日)