軽井沢署によると、加藤さんは16日、1人でホテルを訪れ、1泊2日の予定で宿泊。17日午前8時15分、加藤さんの30代の知人女性からホテルに「客室の男性と連絡が取れない。室内を確認してほしい」と通報があり、従業員が部屋に内線電話をかけたが、応答がなかったため同8時半ごろ、110番した。
駆けつけた署員が部屋に入り、浴室のはりにロープのようなものをかけて、首をつって死亡している男性を発見。知人女性と音楽関係者の男性が加藤さんと確認した。検視の結果、死亡推定時刻は16日午後9時半と判明したという。
加藤さんは数日前、知人女性に電話で「死にたい」などと漏らしていたといい、その後、連絡が取れなくなり心配になった女性が、加藤さんの訪れそうな場所を捜し、ホテルに問い合わせた。
部屋には旅行バッグと関係者宛てのパソコン打ちの2種類のメモがあり「お世話をかけます」など自殺をほのめかすような内容。同署は自殺とみて詳しく調べている。加藤さんの遺体は男性関係者に付き添われ17日午後6時に同署を出た。東京に向かったとみられる。
加藤さんと親しかった知人によると、加藤さんはうつ病を患っていたという。この知人には「もうやりたいことがすべてなくなった」などと綴った手紙を送っていた。他にも、フォークルの仲間だった北山修さん(63)ら親しい友人複数にも同様の手紙を送っていたとみられる。
また、別の音楽関係者が1カ月ほど前に会った際には、「自分が思ったような音楽が作れなくなった」と悩みを明かしていた。死を選んだ軽井沢にはスタジオがあり、度々訪れるなどお気に入りの場所だった。
最後のステージは、先月20日に静岡・つま恋で行われた、南こうせつ(60)主催の野外ライブ。ゲストとして登場し元気な姿を見せていた。11月5日には都内で大腸がん撲滅キャンペーンのコンサートを主催するほか、12月には舞台版「パッチギ!」の音楽を担当することが決まっていた。