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茨城の社保事務所、組織的?年金滞納額改ざん

10月18日3時5分配信 読売新聞

 茨城県内の社会保険事務所で、厚生年金の算定基準となる標準報酬月額(月給)が引き下げられ、滞納額の1割が記録から消されるなどしていたことが、事務所関係者の話で分かった。

 「徴収率を上げる目的でやった」と関係者は改ざんだったことを証言。月額引き下げの対象を会社経営者らとする「茨城ルール」や、滞納取り消し額の自動算出ソフトもあったという。

 読売新聞が入手した2005年度の保険料徴収記録によると、土浦社会保険事務所で、過去滞納額14億1817万円のうち1億4502万円が取り消されていた。水戸南社会保険事務所では、滞納分20億4034万円の約4%にあたる8408万円が抹消されていた。県内のほかの3事務所の05年度滞納取り消し額は、15万〜600万円程度で、土浦、水戸南が突出していた。

 事務所関係者によると、滞納している会社の預貯金を差し押さえて「経営者の心理に揺さぶり」をかけ、納付誓約書を書いてもらう名目で経営者を事務所に呼び出した。「あなたの給料は役員報酬50万円と登録されているが、本当は20万円でしょう」「これで滞納が1000万円減る」と巧妙に誘導すると大半が応じ、滞納額減らしの改ざんを行っていたという。

 また、「茨城ルール」は従業員が受け取る年金を減額されるのは「かわいそう」とし、経営者とその家族らに限定するようにしていた。滞納取り消し額の算出ソフトは、月給の下げ幅と期間を入力すれば簡単に計算できるもので、02年度にUSBメモリーに入れて徴収担当者に配布されていた。

 茨城県の厚生年金保険徴収率は01〜03年度は全国で46位と振るわなかったが、04年度に37位、05年度は24位と急上昇していた。

 茨城社会保険事務局の高田宏総務課長は、「標準報酬月額を故意に改ざんしたということは一切ない。実態に即して下げているはず」と話している。

最終更新:10月18日3時5分

読売新聞

 

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