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岡田監督「もう、二度と出ねえ」 過激インタビューの一部始終

10月16日19時45分配信 J-CASTニュース

 サッカー日本代表チームの岡田武史監督が、試合終了後のテレビインタビューを拒否するという前代未聞の事態が起きた。翌日になって、サッカー協会は、中継局のTBSの番組でのインタビューの質問に「遺憾な部分があった」ことが取材拒否の理由だと説明した。一体どんな中身だったのか。

 岡田監督がインタビューを拒否したのは、2009年10月14日に宮城スタジアムで行われた、国際親善試合の「キリンチャレンジカップ」。この試合で日本代表はトーゴ代表に5-0で圧勝し、岡田監督就任後の通算成績は20勝5敗9分けとなった。試合の中継はTBSが担当。通常ならば、試合終了直後には、監督の「喜びの声」が聞けるものだが、今回の中継では、そうではなかった。

■監督インタビューの権利あったのに拒否される

 試合終了のホイッスルが鳴ってから放送終了までは7分ほど時間があり、試合中にゴールを決めた岡崎慎司選手や本田圭佑選手など4選手が次々にインタビューに応じた。ところが、岡田監督は、試合直後に関係者と握手をしたのを最後に、中継映像で大映しになることはなかった。テレビ局はサッカー中継にあたって、多額の放映権料を支払っており、その契約の中には試合直後の選手と監督にインタビューする権利まで含まれるのが一般的だ。この点でも、インタビュー拒否はサッカー中継としては前代未聞の事態だ。

 主催者のサッカー協会でも、このことを異常事態だと認識したのか、翌10月15日には、スポーツマスコミ各社を集めて事情説明を行った、この場で、松田薫二広報部長は、TBSのサッカー番組での同監督に対する質問について

  「(監督が)遺憾に思っている部分があった」

ことがインタビュー拒否の理由だと説明。具体的には、選手選考に関連する部分が問題視されたことを明かし、

  「選手選考に関わる部分は、監督の専権事項で聖域。岡田監督は確固たる信念を持っており、それを監督に当てた(質問した)」

などと釈明。いわば、「聖域を侵したことが監督の逆鱗に触れた」ということのようだ。では、インタビューは、どのように「聖域を侵した」のか。

 このインタビューは、10月3日深夜(4日未明)TBS系で放送されたサッカー番組「S☆1スパサカ」で行われたもの。当日のラ・テ欄には「岡田監督に今まで聞けなかった話」とあり、インタビューが番組の主な内容であることが分かる。

■「おれには関係ないんだよ。人がどう言おうと」

 インタビューは、番組キャスターの小倉隆史さんが、「聞きたくても聞けなかったこと」というテーマで、視聴者の声を岡田監督にぶつける形で担当。実は監督は、終始不機嫌な様子で受け答えしていた。例えば、「W杯ベスト4に行ける?行けない?」というテーマで、ベスト4に否定的な視聴者のコメントが連続して流れ、100人中81人が「行けない」という結果が画面に映し出されると、岡田監督は

  「いや、人がどう思おうと関係ないから、おれには。おれたちはベスト4に行くし、行けると信じてやってるだけだから」

と、ムッとした様子。小倉さんが「その(視聴者の声の)中には『裏付けがあってのベスト4なのか』という…」と聞こうとすると、岡田監督は、それをさえぎって

  「裏付けって何なの?ドイツがベスト4行く裏付けって何なの?じゃぁ、ブラジルがベスト4行く裏付けって…。過去の実績だったら、それは(ベスト4は)あり得ない。しかし、新しいことにチャレンジするということは裏付けなんて何もない訳だよ。『ベスト4?そんなん無理だよ』って思った瞬間に何も起こらない」

と、一気にまくし立てた。

 さらに、視聴者アンケートで「日本代表に呼んで欲しい選手」として、石川直宏選手などが挙がっていることについては、

  「申し訳ないんだけど、おれには関係ないんだよ。人がどう言おうと。そういうことに左右されないで決めることが代表監督にとって必要な訳で…。人に何を言われようが、自分がいいと思う選手を選んでいかないといけない」

と色をなした。このあたりが、前出の「人事は監督の専権事項」だという点に関連している可能性もありそうだ。

■「三浦知良選手外した理由」に激怒

 最後の質問事項として登場したのが、1998年のフランスW杯選考で「カズ(三浦知良選手)を外した理由」。これまでのやり取りから、小倉キャスターも、これがセンシティブな話題だと察したようで、

  「まぁ、でも、サポーターの方が色々聞きたいかなー、といったところで…」

と、しどろもどろな様子。やはり、この質問は岡田監督の逆鱗に触れたようで、

  「もう二度と出ねえ、この番組」

と苦笑いしながら言い放ったのだ。それでも、小倉キャスターが

  「三浦知良、なんで外したんでしょうか」

と何とか食い下がると、

  「散々98年から、この11年間言って来てるけど、おれは日本代表が勝つためにどうするべきかを考えただけで、それ以外のことは一切考えていない。ただそれだけ。もう1000回以上言ってきた」

と、不快感をあらわにした。小倉キャスターは、

  「すいません、改めてもう…。本当に、企画上、すいません」

と、小さな声で応じるのが精一杯だった。

 いわば、火種は試合の10日以上前には明らかになっていた形で、東京スポーツも10月9日には「『TBS取材拒否』に発展するのではないかと懸念されている」と報じており、これが現実化した形だ。

 もっとも、今回の騒動については、TBS側は「火種は自社の番組にある」とする一方で、サッカー協会側は、質問内容を事前にチェックしなかったことについて「危機管理が不十分だった」だとの立場。両者は歩み寄りを見せている。


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最終更新:10月16日20時55分

J-CASTニュース

 

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