中国人母子に定住資格…大阪入管 市やNPOの支援実る
在留期間延長が許可され、支援者に感謝の気持ちを伝えるとあぎょくトさんら母子3人(生駒市コミュニティセンターで)
経済事情などを理由に、在留資格を失った奈良県生駒市在住の中国人母子3人が、法務省大阪入国管理局から1年間の定住資格を認められ、10日、同市元町の市コミュニティセンターで支援者らに報告した。地元の国際交流団体が母子を支え、子どもたちが通う学校長や市長らが入管に在留許可を求めるなど地域ぐるみの活動が実り、母子と支援者は「このまま日本に滞在できて良かった」と喜び合った。
母子は、ト輝さん(44)と、長男の明星学園高2年唐揚東さん(17)、長女の市立生駒小3年唐一丹さん(8)。トさんは、中国人の夫と1997年から市内で暮らしていたが、夫の会社の経営が悪化したため、「投資経営ビザ」の更新が認められず、トさんら母子3人も今年9月までに滞在ビザの更新が不許可になった。
夫はいったん帰国したが、一丹さんは日本で生まれ、揚東さんも6歳の時に来日したため、2人とも中国語がほとんど話せず、母子3人は日本での生活を希望。ビザの問題に詳しい「外国人労働者奈良保証人バンク」の山本直子事務局長らの支援を得て、入管に9月8日、1年間の在留資格変更の許可を申請していた。
NPO「いこま国際交流協会」や、山下真市長、2人が通う学校の校長らが、「日本語しか話せず、友達と一緒に学びたいと強く願っている」などとして、在留許可を求める文書を入管に提出。今月7日、1年間の在留許可を認める通知が届いた。
報告会で、トさんは支援者ら約10人を前に、「みなさんの温かい支えに感謝しています。これからも家族で頑張って暮らしていきます」と目を潤ませていた。今後、3人は永住申請を計画している。
(2009年10月11日 読売新聞)