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ITの可能性を日々追求する岩上由高の日記

2006-05-07 VMWare PlayerでCentOSを動かす

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VMWare Playerを使っていろいろなOSを動かす方法が

たくさんのブログで紹介されています。

後々のメモのために表題の件を試した際の流れを

書いておくことにしました。

ホストOSWindows XP Professional SP2です。


1. VMWare Playerのダウンロード


以下からダウンロードしてインストールします。

http://www.vmware.com/download/player/

バージョンは1.01です。インストール中にGoogle

SearchBarを入れるか訊かれますが、ボクの場合は

入れませんでした。


2. CentOS用のフォルダを作成しておく


CentOSを稼動させる仮想マシン用のフォルダを作成

しておきます。ボクの場合は「c:\VMWare\CentOS

としました。


3. CentOSインストールイメージを取得する


試したCentOSバージョンは4.3です。インストール

イメージは通常4枚組のCD-ROMになっています。

VMWare上にインストールする場合には普通と同様に

仮想マシンCD-ROMに対してメディアを入れ替える

方法やIDEプライマリ/セカンダリのマスターと

スレーブをフルに使って4つのイメージファイル

仮想マシン認識させる方法などがあるようです。

幸いなことにDVDで一つにまとまったイメージ

あるので、今回はそれを使うことにしました。


BitTorrentで下記サイトからDVDイメージを取得します。

ftp://ftp.riken.jp/Linux/centos/4.3/isos/i386/CentOS-4.3-i386-binDVD.torrent

BitTorrentクライアントはBitCometやAzureusなど好きなもので良いと思います。

ダウンロードした「CentOS-4.3-i386-binDVD.iso」は2.のフォルダ内に置いておきます。


4. vmdkファイルの作成


VMWareでは仮想マシンディスクはvmdkファイル

というファイルが実現するようになっており、

このファイルを用意しておく必要があります。

VMWareサイトにはサンプル用の仮想マシン

用意されています。「Browser Appliance」と

いう名前でUbuntuベースFireFoxを手軽に動作

させることができます。これに付属しているvmdk

ファイルを使っても良いのですが、サイズが少々

小さいので、ここではQemuというツールを使って

vmdkファイルを作成することにしました。


以下のサイトからダウンロードします。ボクの場合は

qemu-0.8.0-windows-2.zipを使いました。Qemuは本来

エミュレーションツールですが、ここではごく一部の

機能しか使わないので、細かいバージョンは気にする

必要はないかと思います。

http://www.h7.dion.ne.jp/~qemu-win/index-ja.html/

ダウンロードしたzip解凍したフォルダの中にある

qemu-img.exeというコマンドを下記のように実行します。


qemu-img.exe create -f vmdk c:\VMWare\CentOS\CentOS.vmdk 20G


ディスクサイズを20GBに指定していますが、作成時点で

いきなり20GBになるわけではないようです。


5. vmxファイルの作成


仮想マシンに対する全ての設定は拡張子がvmxとなって

いるファイル記述されます。このファイルVMWare

での設定の肝になっています。作成したファイルを以下

に記載しておきます。作成したファイルは2.のフォルダ

内に入れておきます。

--------------------------

#VMWare Playerの場合のバージョン指定

config.version = "8"

virtualHW.version = "3"


#ゲストOSの表示名

displayName = "CentOS"


#vmxファイルを特定するID、vmxファイルを移動したり

#リネームした場合は更新する必要がある。

#uuid.locationとuuid.biosが自動生成されるので、

#この二つの項目は記述しておかなくても大丈夫。

uuid.action = "create"


#ゲストOSの識別名

#CentOS4.3そのものの識別子はないが、rhel4を指定

guestOS = "rhel4"


#仮想マシンBIOS設定情報が格納されるファイル

#ファイル自体は自動生成されるのであらかじめ

#作成しておく必要はない

nvram = "CentOS.nvram"


#仮想マシンメモリサイズ指定

memsize = "256"


#USBデバイスが存在することを示すフラグ

usb.present = "TRUE"


#フロッピーはついていないマシンなのでFALSEにした

floppy0.present = "FALSE"


#プライマリのマスターハードディスクの指定

#作成したvmdkファイルを指定する

#vmxファイルと同じディレクトリに入れておき

#下記のようにファイル名のみを指定するのが無難

ide0:0.present = "TRUE"

ide0:0.fileName = "CentOS.vmdk"

ide0:0.deviceType = "disk"

ide0:0.autodetect = "TRUE"

ide0:0.mode = "persistent"

ide0:0.redo = ""

ide0:0.startConnected = "TRUE"


#プライマリのスレーブにはインストーライメージを設定する

ide0:1.present = "TRUE"

ide0:1.fileName = "CentOS-4.3-i386-binDVD.iso"

ide0:1.deviceType = "cdrom-image"

ide0:1.mode = "persistent"

ide0:1.autodetect = "TRUE"

ide0:1.startConnected = "TRUE"


#セカンダリは未使用

ide1:0.present = "FALSE"

ide1:1.present = "FALSE"


#デフォルトではSCSIデバイスを使う設定になるため、

#SCSIが不要な場合は明示的に指定する

scsi0.present = "FALSE"


#イーサネットカードの設定

ethernet0.present = "TRUE"

ethernet0.connectionType = "bridged"

ethernet0.addressType = "generated"

#ethernet0.virtualDev = "vmxnet"

#ethernet0.virtualDev = "vlance"

#ethernet0.virtualDev = "e1000"

ethernet0.generatedAddress = "00:0c:29:cd:33:8b"

ethernet0.generatedAddressOffset = "0"


#サウンドカードの設定

sound.present = "TRUE"

#sound.virtualDev = "es1371"

#sound.virtualDev= "sb16"

sound.autoDetect = "TRUE"

sound.fileName = "-1"


#サスペンド時の仮想マシン設定が保存されるファイル

#自動的に生成されるので、作成しておく必要はない

#サスペンド時にはvmssの他にvmemtというファイル

#生成されるが、こちらにはメモリ状態が保持されるらしい

checkpoint.vmState = "CentOS.vmss"


#VMWare Toolsがインストールされていない場合にその旨を

#伝えるメッセージを表示するかどうかのフラグ

#VMWare PlayerではVMWare Toolsは使えないらしいが、

#とりあえずTrueにしておく

tools.remindInstall = "TRUE"

----------------------------------

6. CentOSインストール


作成したvmxファイルダブルクリックすると、VMWare

Playerが立ち上がり、CentOSインストールが始まります。

詳細は以下のCentOSの本などが参考になるかと思います。

http://www.seshop.com/detail.asp?pid=6335

通常のインストールと何ら変わりありませんが、ディスク

パーティションの設定で警告が出ます。「自動」「手動」

のいずれの場合でも『パーティションテーブルが壊れて

います、ドライブを初期化しますか?』というダイアログ

が表示されます。一瞬ドキッ!としますが、初期化の対象

になるのはvmdkファイルで実現されている仮想ドライブ

はずなので、『はい』をクリックします。そうすると、

Qemuで指定した通り20GBのパーティションが作成されます。


7. vmxファイルの手直し


CentOSインストールでは『おめでとうございます、

インストールが完了しました』という表示の後にシステム

再起動が入ります。この画面が表示された段階でVMWare

Playerの画面上部メニューから「Player→Trouble shoot

Power Off and Exit」を選んで、一度サスペンド状態

にします。その上で、vmxファイルプライマリIDE

スレーブの設定を下記のように書き換えます。

-------------------------------------------------

ide0:1.present = "TRUE"

ide0:1.fileName = "auto detect"

ide0:1.deviceType = "cdrom-raw"

ide0:1.mode = "persistent"

ide0:1.autodetect = "TRUE"

ide0:1.startConnected = "TRUE"

-------------------------------------------------

要はDVDインストーラを取り外して、通常のCD-ROM

ドライブに設定し直すわけです。その後、vmxファイル

再度ダブルクリックして、CentOSインストールを続行

します。


8. 画面解像度の設定


以上で通常のインストールは完了ですが、この状態だと

画面解像度が800×600になってしまっているので、設定

を変更します。ゲストOSによってはここでVMWare Tools

が必要になることもあるようですが、この場合には設定

を変更するだけで大丈夫みたいです。

/etc/X11/xorg.confを以下のように書き換えます。


Screen」セクションの「Display」サブセクションの以下の行を変更

※「Display」サブセクションはDepthが16と24の二つあるが、両方とも変更する


変更前: Modes "800x600" "640x480"

変更後: Modes "1280x768" "800x600" "640x480"


「Monitor」セクションの以下の行を変更


変更前: HorizSync 31.5 - 37.9

変更後: HorizSync 1.0 - 10000.0


変更前: VertRefresh 50.0 - 70.0

変更後: VertRefresh 1.0 - 10000.0


9. 注意点


ethernet0.virtualDevやsound.virtualDevは記述しなければ

最適なものを自動的に認識してくれるようです。

ボクの場合、始めにethernet0.virtualDev="vmxnet"とした

場合にはCentOSインストール時にイーサネットカード

認識してくれませんでした。始めは設定せずにおいて、後で

lspciで実際にどれで認識しているかを確認しておくのが良い

かと思います。ボクのマシンではイーサネットAMD(vlance)

でサウンドはES 1371(es1371)で認識していました。ちなみに

ethernet0でのMACアドレス値は仮想的なものですので、実際

MACアドレスに書き換える必要はありません。また、今回の

設定ではVMWareサポートしているゲストOSネットワーク

環境設定のうちの「ブリッジ」を用いています。この場合は

ホストOSネットワークに接続されていないとゲスト/ホスト

間の通信もできなくなってしまうので、外出先での利用には

他の方法に切り替えるなどの対処が必要です。


VMWare Playerは仮想OSの実行のみが可能で、仮想OSイメージ

の作成はできないことになっていますが、実際にはこのような

方法で任意のOSインストールして実行させることができます。

CentOSに限らず、それなりに著名なOSについては何かしらの情報

ブログなどで出回っているみたいです。

ここ最近になって仮想化のためのツールが相次いで無償化され、

開発のためのコスト低減という意味ではとても嬉しい状況に

なったと思います。今後はこうした仮想化技術運用環境でも

活用されるようになるのはほぼ確実です。そうなると、従来の

ライセンス体系やインストーラの仕組みなどビジネス技術

両方で考えなくてはならない事柄がたくさん出てきます。開発

段階での仮想化の恩恵にあずかりつつ、そうした将来への備え

も進めていかないといけないですね。

毘政毘政 2006/08/22 00:35 初めまして。
ここのブログ、参考になりました。
で、お礼ではないですが、動作報告を!

Virtual PC 2004でも動きました。
ただし、ビデオカードは”VESA”を選択しないと、XWindowがまともに表示されません。
マイクロソフトのHPに、
”S3 Trio 32/64 PCI スーパー VGA (SVGA)カードをエミュレートします。”とあります。
http://support.microsoft.com/?scid=kb;ja;833144

CPUスペックは、Celeron 500M
メモリーは、512M
ビデオカードは、 NVIDA GeForce2 MX/MX 400
です。
マシンがへぼいので、ちょー遅いです。(^^;)

dufresnedufresne 2006/08/22 17:49 毘政さま、コメントありがとうございました(^^)
VirtualPCの場合にもこうしたTIPSがあるんですね、参考になります。

けんじけんじ 2007/08/20 07:29 はじめまして
なにもわからずこちらに記載のとおりやってみましたが、oparating system not found となってしまいます。なにがいけないのかさっぱりわかりません。なにとぞご教示くださいませ

・CentOS.vmdk は20Gで作ると「2G以上はダメ」と怒られたので2Gにしました

・イメージファイルはCentOS-4.5-i386-binDVD.isoを使いました
  → ide0:1.fileName = ”CentOS-4.5-i386-binDVD.iso”

・VMwareはUSB外付けHDDにインストールしております

あべべあべべ 2008/03/27 04:11 bitcometはファイル共有ソフトみたいですが、
インストールして実行した場合、
PC内の全フォルダがwebから共有されたり、
ポートが全部開放されて勝手に入られたりされて、
メールなどの情報が晒されてしまう危険とかはないのでしょうか?

ybitboyybitboy 2008/08/21 13:31 はじめまして
このサイトのおかげで無事設置できました
ありがとうございます
以上、お礼まで

まちゅまちゅ 2009/01/22 23:14 仮想化ちょー初心者です。
下記はどのファイルを起動してどこに入力するコマンドでしょうか?
よろしくお願いいたします。


>qemu-img.exe create -f vmdk c:\VMWare\CentOS\CentOS.vmdk 20G

プーびぃプーびぃ 2009/01/26 23:04 こちらのサイトのおかげで無事に環境構築できました。
Thinkpad X61/Vista Business(SP1)/Core2Duo 2GHz/2GBの環境で比較的スムーズに動作しています。
取り急ぎ、お礼まで。<(_ _)>

To まちゅさん
qemu-img.exeは、Qemuというツールを使う場合の話です。
DosプロンプトでDLしてきたQemuのフォルダまでcdすると、該当するexeがありますよー。
お試しあれ。(^^)h