227
週刊朝日 2002.10.11号より
ここに一本のビデオテープがある。紺色のスーツを身にまとった大神源太容疑者が、
100人ほどの社員を前に、こう切り出した。
「われわれ日本国民に、誇りと勇気を与えてくれました、すばらしい人物です。
(忙しい)日程があるのに、われわれのためにおいでくださいました」
98年2月に靖国神社で開かれた「冬期修練会」と題する、ジー・オーグループ
の社員研修の様子を撮影したものだ。大神容疑者自らが、講師の藤岡信勝教授を紹
介している。
藤岡教授が登場すると、社員はいっせいに起立して、
「よろしくお願いします」
と声をそろえ、頭を下げる。
壇上の藤岡教授は講義の冒頭、大神容疑者について、
「こちらの会長先生とお目にかかったのはまだ日が浅いんですが、本当に立派
経営者の方が本当に出てくることが、ある意味で日本が大きく変わっていく最も大
きな力になるんではないかというふうにも感じています」
と曖昧な“賛辞”を贈った。
228
講義では、小中学校の歴史教科書のイラストをスライドで紹介しながら、歴史教
育の現状を批判する“持論”を展開し、1時間の予定を10分以上もオーバーした。
藤岡教授といえば、東大の教育学部で教鞭を執るほか、扶桑社版の中学校歴史教
科書を編集した「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長としても知られている。
もとは共産党のシンパだったが、90年代に入ったころから「右派」に転向したと
いわれ、96年に結成した「つくる会」の顔として、これまで多くのメディアで発
言してきた。
一方の大神容疑者は、自ら率いるグループ企業「ジー・コスモス・ジャパン」を
通じて、通信販売の広告事業への投資などを名目に集めたカネで、自らが主演する
映画を製作するなどして話題を集めた人物だ。結局、約3万3千人から336億円
余りを集めたまま今年春にグループは破産。180億円ほどが未返済とみられ、大
神容疑者自身は9月10日、幹部らとともに詐欺の疑いで逮捕された。
(略)
東大教授として無自覚ではないかという指摘に対しては、
〈(出資した)被害者の皆さんこそが注意を怠ったと言えるのではないでしょうか〉
と反論し、結びに、
〈みずからの注意を怠っておいて他者を責めるのは、自分の責任を他人の責任に転
嫁することになるのではないでしょうか〉
と問い返した。
(略)
229
本誌の取材に対して藤岡教授は、電話とファクスで回答してきた。
先の講義については、
「『本当に立派な信念』と言っているのは、社員を引き連れて靖国神社に参拝す
ることは感心なことだと私が思っていたことは事実ですから、そういう文脈で述べ
られたことです。(中略)社員を前にした外交辞令の範囲です」
と述べた。取材に関しても、こうコメントした。
「この程度のことでもいいから左翼に私を攻撃するネタを与えるのが貴誌の『使
命感』らしいですね」
てなわけで、藤岡先生は広告塔として被害者から訴えられたわけですが(勝ったそうです)、
被害弁護団団長の山口広弁護士を「悪徳弁護士」と中傷してます。今でも載ってます。
http://www.jiyuu-shikan.org/rekishi53.html
これって名誉毀損なんじゃないの?
藤岡先生は増田俊男さんという人とも親密だそうです。
http://blog.so-net.ne.jp/fujioka-nobukatsu/2006-04-28
>*以上の文章は、会員制月刊雑誌『力の意志』(サンラ出版)06年
>5、6月号に「〈亡国の法案〉戦時性的強制被害者問題解決促進法案」
>と題して、2回にわたって掲載したものです。転載の許可をいただい
>た同誌と増田俊男氏に謝意を表します。
増田さんに関するブログはここです。
では、情報お待ちしています。
by ureeruhiroshi
藤岡信勝先生は共産党員歴を隠…