生きたまま定置網にかかったオサガメ=15日、小浜市宇久
絶滅が危惧(きぐ)されている世界最大種のカメ「オサガメ」が15日、福井県小浜市宇久沖の定置網にかかった。生きたまま発見されるのは珍しく、大きさを測定後、放流された。
オサガメは硬い甲羅がないのが特徴で、甲羅は細かい骨が集まり、滑らかな革のような皮膚で覆われている。主にクラゲを食べ、最大で甲長(甲羅の長さ)2・5メートル、体重1トン近くに成長する。最近では今年6月、若狭町世久見沖の定置網にかかったが、発見時にはすでに死んでいた。
今回見つかったのは甲長120センチ、甲幅(こうふく)65・7センチ、体重は推定150キロ以上でまだ若い個体らしい。
同日午前5時半ごろ、宇久沖約2キロほどに仕掛けた定置網に、大型クラゲ(エチゼンクラゲ)と一緒にかかっているのを、浦谷俊晴さん(40)が発見した。漁船内の水槽へ移した後、県立大に連絡。同大に今年できた「ふくい・うみがめサークル」の田畑絵理部長(21)や県海浜自然センターの児玉晃治さん(33)が駆けつけ、陸上で甲羅のほかヒレや頭の長さなどを測った。測定後、日本ウミガメ協議会のタグを前後のヒレに付け、放流した。
浦谷さんは「ウミガメはこれまでに数回かかったことがあるが、神聖な生き物として酒を飲ませて放流していた」と話した。児玉さんは「県内で生きたオサガメを測定しタグを付け放流したのは初めて。サークルの発足で地域との連携ができ、貴重なデータが取れた」と話し、田畑さんは「オサガメの力はとても強かった。カメの体力が消耗するので、今後は迅速な調査ができるようにしたい」と話していた。
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