立正大学(東京都)で社会学を学ぶ学生4人が13、14の両日、神戸市を訪れ、阪神大震災(95年)の被災者に聞き取り調査を実施した。テーマは震災と人間関係。災害復興公営住宅などで被災した高齢者らの体験や思いに耳を澄ませた。
学生はいずれも社会学科3年生で20~21歳。「神戸といえば、阪神大震災が真っ先に思い浮かんだ」(学生の1人)として震災をテーマに設定。震災前から避難所、仮設住宅、復興住宅と居住地の変化が及ぼした人間関係を中心に復興住宅などで聞き取りをした。
「復興住宅に入ってドアの鍵をかけるようになった」「同じ痛みを負っているのに、なんで仲良くできんのかな」と復興住宅での人間関係の難しさを話す人もいれば、「みんなでお茶を飲むことをきっかけに、ものを言える関係になった」などと話す人も。
聞き取りをした相墨大貴さん(21)は「事前に調べたより、みんなつらい思いをしていると感じた」、中澤真央さん(20)は「孤独死の話に驚いた」などと話していた。【川口裕之】
毎日新聞 2009年10月15日 地方版