(CNN) イラク、アフガニスタン両軍事作戦への従軍経験がある退役兵士の団体は15日、2007年5月までの調査で、両作戦に派遣された女性兵士の約15%が隊で性的暴行や嫌がらせを受け、精神的な衝撃を受けていたとの事実を明らかにした。
調査対象にした女性兵士の数や発生件数などは不明。米国防総省などによる調査では、女性兵士に対する嫌がらせや性的暴行の件数は昨年、前年比で9%増となっている。ただ、女性兵士は被害を退役後まで伏せる傾向があり、実際の発生件数がより多いのは確実とも見ている。
同団体による調査では、女性兵士による軍退役の時期が男性兵士に比べ早いことについては、家族と切り離される時間が多いことが最大の要因であることが分かった。また、女性兵士の離婚率は男性兵士より高く、昨年には9.2%を記録、前年のほぼ3倍の水準を記録したことが分かった。
女性兵士の軍生活に対する不満では、性的暴行や嫌がらせの多さ、男性兵士に比べ昇級が遅いこと、女性兵士専用の健康衛生プログラムの不足などが挙がった。陸軍では女性兵士による戦闘への直接参加が禁止されており、これが昇級が遅いことの要因との見方もある。
2001年末に始まったアフガン軍事作戦には女性兵士21万2000人以上が従軍。イラク駐留米軍では、女性兵士の比率は11%となっている。