十勝毎日新聞社ニュース
「失望」「怒り」「頑張って」 中川財務相“迷走”辞任
市民の胸中複雑
国際会議後の“失態会見”で中川昭一財務・金融相が17日夜、辞任に追い込まれ、地元・十勝の有権者にも衝撃が広がった。来年度予算案の衆院通過後に辞任する対応では世論の批判が収まり切らず、急きょ辞表を提出した迷走劇と相まって失望や怒りの声も。一方で、景気回復の手腕が期待された地元選出大臣の辞任を残念がるなど複雑な思いで受け止めた。
詰め掛けた報道陣の対応に追われる中川氏の後援会関係者。大臣辞任で地元有権者にも波紋が広がった(17日午後、帯広市東1南25の合同事務所)
帯広市内の飲食店従業員の女性(45)は「風邪薬を飲んだと言っているようだけど、どう見ても、酒に酔っているとしか思えなかった。海外で醜態をさらした以上、辞任は当然」と指摘した。
芽室町の女性看護師(32)は「会見の様子をテレビで見てがっかりした。地元だけでなく日本の代表として行っていたのに、恥ずかしい限り。次の総選挙では、誰に投票するかの大きな判断材料になる」と突き放す。
これに対し同情的な見方を示す有権者も。
音更町の男性農業者(42)は「(中川氏の)周りの人はどうして(あの状態で会見に出るのを)止めなかったのか。反中川氏の力が働いたのかと疑問」と首をかしげつつ、「外国との交渉など、政治的な力がある人と評価していただけに残念というか、ばかなことをしたと思う」と受け止める。浦幌町の女性事務員(21)は「体調が悪いことは誰にでもある。辞めなくてもよかったのではないか。今後も頑張ってほしい」と話した。
地元選出大臣として活躍を期待していた市内の老人介護施設の男性職員(39)は「もう少し仕事をしてほしかったという気持ちはあるが、辞任はやむを得ない」と残念がった。
市内の塾経営の男性(74)も「期待していただけにあの姿を見て情けなくなった。地域の方向性が今後どうなっていくのか不安。体調が悪かっただけなのか、酒に酔っていたのかはっきりしないと、有権者は半信半疑のまま。真実を明らかにしないと、選挙に出られなくなってしまうのでは」と心配そうな表情を見せた。
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