十勝毎日新聞社ニュース
「中川王国」落城 「ひとえに私の責任」 にじむ悔しさ 復帰に意欲
「ひとえに私の責任。本当に申し訳ない」−。9選を目指した自民党の中川昭一氏は30日午後8時20分、帯広市東1南25の選対事務所に姿を現し、絞り出すような声で敗戦の弁を述べた。父一郎氏(故人)の代から約半世紀続いた「中川王国」。負けを知らない陣営は、あまりにも早い小選挙区落選の報に言葉を失い、重い空気に包まれた。
小選挙区落選に続いて比例当選も絶望的となり、目を潤ませて落胆した表情で支援者に敗戦の弁を述べる中川氏(31日午前0時、帯広市内の選対事務所)
午後8時。支援者の姿もまばらな選対事務所に「石川知裕氏・当選確実」の一報が流れると、選対幹部は信じられないといった表情でテレビ画面をのぞき込み、事務所内にどよめきが広がった。
事務所に到着した中川氏は、矢野征男選対本部長ら幹部と握手を交わし、神棚に二礼。選挙期間中の弁舌は影を潜め、「(選対設置後の)この11カ月、(議員生活)26年間、父親から合計すると46年間、支えていただき仕事してきたが、こういう結果になった」と目を潤ませて悔しさをにじませ、「感謝とおわびの言葉しかございません」と深々と頭を下げた。
あいさつを終えると、駆け付けた支援者に歩み寄り1人ひとりと握手。泣き伏す古参の女性支援者に「ごめんね」と謝られ、中川氏は「こちらこそ、ごめんなさい」と肩を落とした。
自公政権への批判やローマでの失態会見、財務・金融相の辞任などを受け、逆風の中での選挙戦。キャッチフレーズは「実力本位」から「新たなる決意」に、選挙期間中は「十勝を守る」と訴えた。一郎氏形見のはちまきはポケットに入れ続け、最終日の街頭演説では頭に巻いた。
比例復活の望みが薄れた同11時半すぎ、選対事務所に戻った中川氏は「これからもやらなくてはならない事がある。皆様方にまたご恩返しをするべく進んでいきたい」と、国政復帰に意欲を示した。
◇選挙号外
「中川王国」落城[PDFファイル:642KB]
◇開票結果
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◇関連動画
・中川氏、敗戦の弁