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( ※ 本項の実際の掲載日は 2009-10-15 です。)
インフルエンザを根絶するには、そのための抗インフルエンザ薬を開発する必要がある。(特に、タミフルとは違って、耐性ができないもの。)
ただし、それが開発されたとしても、それを人間が飲むだけでは足りない。動物に飲ませる必要がある。(インフルエンザは動物にも感染するからだ。)
では、どうやって動物に飲ませるか? それが問題だ。家畜の豚に飲ませるのは可能だとしても、鳥に飲ませるのは困難だ。
……と、そう思われてきたのだが、このたび、うまい方法が見つかった。
それは前出項目(薬剤乱用の問題)のことだ。ここで述べたように、次のことがある。
「人間がタミフルを乱用すれば、それが自然界に蓄積して、カモが摂取する。タミフル耐性ができるほど、十分に摂取する」
だから、人間がその薬剤を乱用すれば、それだけで自動的にカモにも薬剤が行き渡るのだ! 災い転じて、福となす。何か、うますぎる話みたいですね。 (^^);
ただし、これで薬剤が行き渡るのは、カモなどの水辺に住む鳥だけだ。一般の野鳥類は違う。残念?
とはいえ、うまいことに、インフルエンザに感染する鳥は、カモなどだけなのだ。
鳥インフルエンザウイルスは、野生の水禽類(アヒルなどのカモ類)を自然宿主として存在しており、……
( → Wikipedia )
一般の鳥は、インフルエンザには感染しない。つまり、「鳥インフルエンザ」と呼ばれているものは、鳥全般に感染するのでなく、主にカモだけに感染する。その意味で、これは「カモインフルエンザ」とも言える。
そして、そのことがちょうど具合よく働くわけだ。
( ※ なお、ニワトリなどの家禽類も感染するが、家禽ならば餌に抗インフルエンザ薬を混ぜるだけで解決するので、これは問題とならない。)
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以上のことで、万事解決とはなるまい。予想外の障害があるかもしれない。
とはいえ、「鳥に薬剤を飲ませるにはどうすればいいか?」という最大の問題は、これで解決したことになる。人類がインフルエンザを克服する道は、一応、メドが立ったとも言える。
( ※ 実現は遠い先かもしれないが。しかし、ひょっとしたら、T-705 によって可能になるかも。)
※ 以下は、直接の関係はないが、関連する話題。
[ 余談 ]
現実は? 人類はインフルエンザ根絶のために、努力しているか?
薬剤開発の面では、そう言える。しかし、その一方で、薬剤によってインフルエンザを増やす努力もしている。皮肉だが。
それは、養豚場だ。コスト削減を第1として、狭い養豚場で、クソまみれの不潔な環境で、豚が無理やり餌を食わされている。あまりにも不衛生だから、病気が続出するので、抗生物質も大量に飲まされている。しかしそれでも、抗生物質が効かない例も出てくる。かくて、新たな病気が出現する。そのうちの一つが、今回の豚インフルエンザだ。
この件は、下記の記事がある。
メキシコの各新聞は、今回のインフルエンザの発生源を、世界最大の養豚会社である米Smithfield Foods社が経営する高密度の養豚場だと伝えている。水を介して感染したという意見もあれば、ハエが媒介したという意見もある。[リンクされている記事によると、発生が始まったと見られる村La Gloriaに同社の養豚場があるという]豚を飼いながら、病原菌やウイルスも飼っているわけだ。ウイルスを撲滅する努力もあれば、ウイルスを増やそうとする努力もある。
( → 海外記事 )
抗インフルエンザ薬を開発するだけでなく、豚の環境をもっと衛生的にすることの方が、先決だろう。
( ※ 私の意見だけでなく、各界で同様の意見がある。2009-10-09 の読売新聞にも意見がある。)