家に帰ると一枚のファックスが届いていた
『タカシくんへ、もし君が現代のバスキアだとしたら今の世の中に何を伝えたいですか?』
殴り書かれたその紙を眺めながら
頭の中に「???」と浮かんだときに
一本の電話が鳴った。
「タカシくん出番だよ!」
嬉しそうなあの人の声を、今でも僕は活き活きと覚えてる。
身体は鳥肌が立ち、日常の怒りで曇った頭の中に
一筋の光りが注した。
あの頃僕は全てをなくしていたし、人生にちょっぴり絶望していた。
今なら思えるんだ。それは僕だけじゃなく、ありのままの今の人の姿だと
自分を綺麗に着飾る人は多いけれど、ドラマみたいにハッピーな若者は、
現実にはそういなくないか?て