1732年の「享保の大飢饉(だいききん)」で博多で亡くなった人々を供養する「川端飢人地蔵尊夏大祭」が23、24の両日、福岡市博多区中洲の飢人地蔵尊前で行われた。地元住民など多くの人々が、地蔵尊に手を合わせた。
博多では飢饉の影響で人口の3分の1にあたる約6000人が亡くなったとされる。飢饉後、犠牲者を弔おうと、地元住民が地蔵尊を建てた。大祭は地元商店主らが中心となり、100年以上前から毎年営まれている。地蔵尊前では、大小の盆ちょうちんが一帯に約30張り飾られ、念仏の道具とされる打楽器「鉦鼓(しょうこ)」の音も響いた。24日は灯籠(とうろう)流しなどを行い、先人たちの霊を供養した。
同区の藤本泰子さん(70)は「飢饉は今の時代では考えられない。安らかに眠って」と話した。
=2009/08/25付 西日本新聞朝刊=