ノムさん「名誉監督」蹴って最後の戦いへ
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CSを16日に控え、野村克也監督は、バットを片手に囲み取材を受ける
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 退任が決まった楽天・野村克也監督(74)が、球団から要請を受けている名誉監督就任を拒否することが15日、分かった。パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージは16日、楽天―ソフトバンク(Kスタ宮城)で開幕するが、野村監督は球団が用意するポストを拒絶。監督生活24年目の名将は自ら退路を断ち、“野球人”としてのプライドを懸けて最後の大勝負に臨む。
 大一番を前に、野村監督は決別を心に決めていた。レギュラーシーズンが終了した11日、島田オーナー兼球団社長から退任通告を受けた際、名誉監督の就任を要請された。直後は「次の監督のことも考えてやらないといけない。亡霊、幽霊みたいな仕事。それが楽天のためになるのかね」として表向きでは態度を保留していたが、自身の中での結論は出ていた。関係者によれば「“名誉監督は受けない。絶対に引き受けない。楽天の名誉監督って名誉になるか?”と言っていた」と明かしたが、拒否の大きな要因は島田オーナーとの会談で生じた球団側の対応に対する不信感だった。
 11日の会談で球団は今季限りでの退任とともに、息子である野村克則バッテリーコーチは来季、育成コーチで残留させると申し出てきた。「名誉監督?ファンへのエクスキューズ(言い訳)。怖いんですよ。ファンを静めるために応急措置としての戦術としてとらえている」と野村監督は実体のない名誉職への就任要請に不快感を示していたが、そこで交換条件のように息子の去就を持ち出してきたことに「そういうのを出せば引き受けると思ったのか?」としてさらに態度を硬化させた。最終的には現場にこだわる“プライド”もあって決別を決意。克則バッテリーコーチも退団の意向を固めている。
 この日も、決戦前日だというのに球団に対する恨みつらみがとめどなく口を突いた。「待っているのは解雇だけなんだから。必死になって取り組んで後悔してます。(仙台ではなく)九州でやるべきだった」と報道陣を前にぼやきまくった。だが、その一方で「ファンにはお世話になったし、ファンの方を向いてやります。予想通りなら投手戦。接戦で逃げ切る形になればね」と勝負師の表情ものぞかせて、気持ちを高ぶらせた。
 起用法への不満から首脳陣批判したリンデンを登録抹消するなど、ゴタゴタ続きの中で迎える最後の大仕事。退路を断って立ち向かう決断を下した裏にあるのは「野球が好きなだけなんや」という野村克也の意地だ。勝ち続けることこそが、言葉以上に球団にプレッシャーを与えることになる。「本当は休養するのが一番いい。でも意地もあるからな。意地シリーズや」。74歳の知将が目指すのは、なんの打算もない勝利。そしてその先にある日本一の座しかない。
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