ノムさん「ブラウン吹っ飛べ」　球団への愛着なし

　今季限りでの退任を通告されている楽天の野村監督が１４日、後任の最有力候補に挙げられている広島のブラウン前監督をまねてベース投げを披露し、球団との対決姿勢を鮮明にした。

　全体練習が終わって選手が引き揚げた後のＫスタ宮城。日が傾いたグラウンドに出ると、野村監督は関係者が抜き取った三塁ベースを胸の前で抱え込んだ。「５０年以上もこの世界にいて、ベースがこんなに重いとは知らなかったな」。ずっしりした重みを両手に感じながら半身に構える。そして「ブラウン吹っ飛べ〜！！」という叫び声とともにベースを放り投げた。

　２日後にクライマックスシリーズ第１ステージの開幕戦を控えながらも、いまひとつ気持ちの盛り上がりに欠けている。「人間って弱いじゃん。ＣＳが始まる前にクビを宣告されて…。申し訳ないけど、やる気が出ない。頑張って優勝すれば（続投の）望みがあるかと思っていたんだけど」。そんな落ち込む自分にむち打って敢行したブラウン流のパフォーマンス。球団とブラウン前監督への反発心を体で表し、ＣＳを戦うためのエネルギーに変えた。

　球団への愛着はみじんもない。「オレは辞めたら『元楽天』と言われるのかな。それはイヤだね。『元南海』がいい」。それでも、目の前の戦いに負けるわけにはいかない。「岩隈、マー君、永井の継投もあるぞ。２つ勝てばいいんだからな。明日のことは考えとれん。明日は明日の風が吹く」。３本柱による豪華リレーの可能性にまで言及した。得意の短期決戦に向け、頭はフル回転している。　（永山陽平）