数々のTVアニメ・ゲーム主題歌をはじめ、ユニット”kukui”や”Sound Horizon”サポートボーカルなど幅広く歌声を響かせるボーカリスト、霜月はるか。その霜月はるかのニューアルバム「グリオットの眠り姫」が2009/10/14に発売される。
「グリオットの眠り姫」は、ドラマCDやコミック連載にまで展開した前作「ティンダーリアの種」を生み出した、霜月はるか・日山尚のタッグが企画・プロデュースする、幻想的で壮大な新たなる冒険物語となる。

アルバム発売を記念し、霜月はるかさん・日山尚さんのお二人のインタビューが到着！
また記事の最後にはプレゼントの告知もあるので要チェック！

 

−霜月はるかさん、日山尚さんといえば「ファンタジー」＋「民族音楽」というイメージが強いですが、このようなコンセプトの作品を作り始めたきっかけは？

霜月はるか（敬称略、以下「霜月」）：
日山さんとは元々友人で、最初はお互い別々にオリジナル作品を作っていました。それぞれの作るものに興味を持って話をしているうちに、趣味嗜好の方向性が似ていることに気付いて、自然とお互いの企画に関わるようになったんです。

日山尚（敬称略、以下「日山」）：
「ファンタジーボーカルアルバム」という括りでは、2002年に霜月さんの自主制作名義である「Maple Leaf」から頒布された自主制作盤「ユラグソラ」に、私が作詞で関わらせてもらったのが最初ですね。霜月さんのオリジナル作品「SACRED DOORS」の関連作品になります。

霜月：
その後、今でも活動を続けている「tieLeaf」という自主制作サークルを作って、「月追いの都市」や「Lip-Aura〜その手が象る世界〜」を発表しました。これは日山さんのオリジナル作品「捻子巻く月」の関連企画として、私が音方面、サウンドプロデュースを担当した形です。
そして、2007年にティームエンタテインメントさんから出させていただいた「ティンダーリアの種」へと繋がります。

日山：
ある日突然、霜月さんに「二人で企画からやってみない？」と誘われて（笑）
自主制作やお仕事で一緒に制作するのは慣れていたのですが、共同で設定や世界観を作り起こしたのは、「ティンダーリアの種」が初めてでした。

−今回の「グリオットの眠り姫」はどんな物語になりますか？

霜月：
天変地異が起こって世界が荒廃し始め、太陽の力が弱まってしまった世界が舞台です。
アリアの歌を受け継いできた歌い手の家系に生まれた双子の女の子「シトラ」と「ローザ」、そして彼女達と行動を共にする「ライル」と「グレイン」の４人が物語の主軸になります。
双子の二人のうちどちらが「メシャリア」と呼ばれる「うたい手」の役目を受け継ぐかという事になって、周囲の人達に比較をされながら育つ中で葛藤や劣等感が生まれ、結果的に二人は違う道を歩み始めます。
その二人が世界の運命に巻き込まれていく･･･といった話です。

日山：
前作では「２時間の映画」をイメージして童話のような雰囲気を目指したんですが、今回はいわゆる「RPG」をイメージして作っているので、実際に旅をすることになるシトラとライルが、「物語」としては中心キャラクターになりますね。ただ、ボーカルアルバムとしての主人公は双子のシトラとローザです。

−前作「ティンダーリアの種」同様、1枚のアルバムを作るに当たって設定資料など膨大な量になっていますが･･･

霜月：
基本的にはファンタジーの物語を作っているので、特別なことではないのかなと思っています。たまたまその表現方法が今回「霜月はるかのボーカルアルバム」というだけかも。

日山：
そうですね、ドラマCDやコミカライズ等、メディアミックス展開をしても活かせる設定も色々と考えてはいますが、まずは１枚のアルバムとしてまとまりがあるように考えています。

−今回のアルバムに入りきらなかった内容などは、今後マルチメディア展開で発表される予定ですか？

霜月：
具体的な事は何も決まってないですが、今回は企画の段階から色々な展開を想定してはいます。ボーカルアルバムとして面白い作品を作るのと同時に、ファンタジー作品としても面白いものにしたいと思っていて。
私は音楽CDとしてこうしたら楽しくなる、日山さんはストーリーの部分でこうしたら面白くなる、という意見を出し合って両方成立する作品にするように沢山話し合いました。
メディアによって表現したい事は細かい所で変わっていくと思います。例えば、ストーリー展開やキャラクターの心情表現の描き方とか。表現方法によっては、音楽ＣＤでは表現出来ない事もできたりしますから。

日山：
主軸が変わる事はないですが、もし他のメディアで表現できたら、それに適した形があるので、それぞれの「グリオットの眠り姫」を楽しんでいただけるようにするのが理想です。

−副題や曲のタイトルに「アリア語」が採用されていますが、「グリオットの眠り姫」は「ティンダーリアの種」の続編という位置付けになりますか？

霜月：
アリア語というのは、この世界で使われている特殊な独自言語で、私たちが作っている造語です。
タイトルが発表されたときに「ティンダーリアの続編？」と想像された方も沢山いらっしゃったみたいですが、実際に世界観は「ティンダーリアの種」と繋がっていて、「グリオットの眠り姫」は「ティンダーリアの種」の物語が遠い伝説になった頃、つまり未来のお話になっています。

日山：
世界の様相も変わり、文化も発展していて、一見全然違う世界なのかな？と思えるんですが、根底にある世界の創造のきっかけや世界の仕組み、アリア語の設定などはそのままです。
前作のキーだった「アリアのうた」は、今作でも出てきますね。

−もし次回作を作るとしたら、同じ世界観になりますか？

日山：
どうでしょうね。実際に作っている最中は、次のことを具体的にはあまり考えてなくて。私も霜月さんも常に今を生きている感じなんです（笑）今に全力投球というか。
「ティンダーリアの種」が完成した時点でも、「楽しかったね」「また作れたらいいね」という話はしても、じゃあ次の作品は続編にしよう、未来の話にしよう、というような話題は一度も出ませんでしたね。

霜月：
「グリオットの眠り姫」の企画を動かし始めてから「ティンダーリアと繋げたら、燃えるよね」って（笑）
二人で共有している「ティンダーリアの種」という作品があったし、既にコミカライズやドラマCDなどのマルチメディア展開もしているので、世界が繋がっていたほうが「ティンダーリアの種」を知っている人にももっと楽しんでもらえるんじゃないかな、と。

日山：
でもタイトルを「ティンダーリアの種�U」にしなかったのは、普段から自分たちなりに新しい事をやりたいという思いが強いからなんですよ。キャラクターや時代、イメージカラーを一新したのもその理由が大きいですね。

霜月：
作品として全く違う、単独で楽しんでもらえる作品を作りたくて。
でも世界が繋がっていて前作を聞いてくれた人にはこういう楽しみ方もして貰える、というのが好きなんです。
細かいギミックの入れ込みなどにもこだわって作っていて、「ティンダーリアの種」から設定やアリア語だけでなく、音楽的にも共通したフレーズや歌詞なども絡めていますので、そこに注目して聴いて欲しいです。

−「アリア語」はどのようにして作られるんですか？

霜月：
歌ったときに綺麗な発音になる、というのが前提で、日山さんと話し合いながら作っています。ある程度のルールを決めて、歌詞で何を表現したいかというのを日本語で書いてから、それに当てはまるように言葉を作って。
思いついた単語があったらお互いに連絡して、共有辞書を増やしていくようにしています。
でも自分達が混乱しないように、共通するような意味のある言葉は同じ単語を使うようにして、あまり単語の数を増やさないように努力しています（笑）

−「グリオットの眠り姫」を制作していく中で大変だったことは？

日山：
産みの苦しみというか、構想を練る段階にとても時間を費やしました。
先ほどと被るんですが、ボーカルアルバムとして分かりやすくすれば物語が薄くなったり、物語を複雑にするとボーカルアルバムでは理解がし難くなってしまったり。今回に限らず、そのバランスを取るのには苦労しますね。
あと、霜月さんも同じだと思うんですが、私の場合「ティンダーリアの種」のコミック版の原作作業なども進行しながらでしたので、頭を切り換えるのにも苦労しましたね。企画中はティンダーリアの未来と過去を何度も行ったり来たりしました（笑）

霜月：
全曲書き下ろしという事自体が大変でした。まあ作業量は多いですし（笑）でも基本的に好きなことをやっているので楽しいという思いが強いです。「大変だけど楽しかった！」という感じですね。完成した時の達成感は大きかったです。

−今作は前作以上にコーラスの厚みが増しているとの事ですが、前回は最大「72しもつきん」でしたが今回は？

霜月：
今回は重い曲が１曲どん、というわけではないのですが全曲満遍なくコーラスが多かったです。
基本的にコーラスが好きで、コーラスを歌っていると幸せなんですよ。
メインボーカルを録り終わったあとは「これからコーラスだー！」ってテンションが上がるんです（笑）
コーラスを重ねていくうちに音の変化が起きたり、曲のパーツが増えていったり、どんどん曲が完成していくのを見るのが楽しいですね。

−今回のアルバムで、思い入れのある曲を1曲選んで頂くとしたら？

霜月：
もちろん全曲それぞれに思い入れはあるんで選べないですが…

日山：
2曲目の「消えない欠片」は、アルバムの主題歌で、「作詞・作編曲：霜月はるか」の唯一の曲ですね。

霜月：
そうですね、メジャー作品で編曲まで携わったのはこの曲が初めてでした。
いつもは自分の書いた曲もアレンジャーさんと話し合いながら仕上げていくのですが、今回は「全曲書き下ろしのアルバムだし、せっかくだからチャレンジしたい」って事になって。
今まで曲制作に携わった経験を活かしつつ頑張ったので、この曲が完成したときは感動もひとしおでした。

日山：
私も全曲に対して思い入れは強いですね。全13曲、どれも「グリオットの眠り姫」には欠かせない曲なので。
そういえば、2曲目と4曲目で霜月さんがホイッスルを吹いているんですが、4曲目の「お姫様と道化師」は、「不機嫌なお姫様が、つまらなさそうに笛を吹いている」という設定だったのですが、レコーディングブースで歌わない霜月さんは新鮮で面白かったので印象的でした。

霜月：
面白かったって言われた（笑）

−「グリオットの眠り姫」という作品のテーマは？

霜月：
一言で言うなら「自分探し」かな。
4人の主人公達がそれぞれの立場で旅をして、成長して、自分の居場所や存在意義などの人間的な悩みを抱きながら物語が展開します。そしてそれぞれの結論へたどり着くんです。
このキャラクター達の中の誰かに共感して貰えたらいいな、と思っています。

日山：
そうですね、その辺りは歌詞のほうからも感じていただければと思います。

−11/23に「Haruka Shimotsuki Original Fantasy Concert 2009」が開催されますが、「ティンダーリアの種」と「グリオットの眠り姫」の2作品を中心としたライブになるとの事ですが、どんな内容になりますか？

霜月：
2作品の世界を知っている方はもっと楽しめるように、知らない方は少しでも感じてもらえるようなライブにしたいと思っています。
ライブという形の中で私達なりにこういう表現をしたい、というようなものにチャレンジして、「ティンダーリアの種」や「グリオットの眠り姫」の世界に没頭出来るような雰囲気にしたいです。

−最後にファンの方々にメッセージをお願いします。

日山：
アルバムを聴き込んで、ファーストガイドブックを読んで、まずは「グリオットの眠り姫」をじっくり楽しんでください。音楽はもちろんですが、キャラクターたちも末永く可愛がっていただけたら嬉しいです。

霜月：
今回の作品はボーカルアルバムとしても、一つのファンタジー作品としても楽しめると思うので、ファンタジーが好きな人にも興味を持って欲しいし、私の歌を聴いて下さっている方にも物語に浸ってもらいたいなと思います。そしてコンサートにも遊びに来てください。

−ありがとうございました。

 

○商品情報
タイトル：「グリオットの眠り姫」/霜月はるか
発売日：2009/10/14
品番：KDSD-00555（特装盤）/KDSD-00556（通常盤）
価格：\3,990（特装盤、税込）/\3,150（通常盤、税込）
特典：ファーストガイドブック（設定資料＆コミック）、豪華箔押しBOX仕様（特装盤のみ）
※特装盤は初回限定生産

・STAFF
企画・トータルプロデュース：霜月はるか/日山尚
作・編曲：霜月はるか/岩垂徳行/弘田佳孝/なるけみちこ/MANYO
作詞：霜月はるか/日山尚
キャラクターデザイン：藤村あゆみ
ジャケット・ブックレットイラスト：藤村あゆみ/中山匡

○「Haruka Shimotsuki Original Fantasy Concert 2009 -FEL ARY ARIA-」開催！
日時：2009/11/23 17:00開場/17:30開催
会場：日本青年館
企画・制作：TEAM Entertainment/CRAFTSCAPE
制作協力：M-TRES
演奏：霜月はるか with WYRDRAD（ウィルド・ラッド）
詳しくは特設サイトへ（http://www.team-e.co.jp/sp/archive/ofc2009.html）

 

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(C)TEAM Entertainment Inc./CRAFTSCAPE
2009/10/14　SCOOP MUSIC

訂正とお詫び：プレゼント内容ですが「サイン入りCD『霜月はるかのFrost Moon Cafe　ビッグサイト支店』（グリオットの眠り姫・パイロット版CD）(2名様）」と記載させて頂いておりましたが、「『グリオットの眠り姫』サイン入りブックレット＋『霜月はるかのFrost Moon Cafe　ビッグサイト支店』（グリオットの眠り姫・パイロット版CD）の2点セッ ト(2名様）」に変更となりました。ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。