吾妻渓谷の自然/特別天然記念物も生息 八ツ場ダム建設予定地の吾妻渓谷では四季折々の美しい渓谷を見ることができます。周辺には国の特別天然記念物のニホンカモシカ、絶滅危惧(きぐ)種のイヌワシ、クマタカ、危急種のオオタカが生息しています。こうした希少生物への影響が懸念されます。 同ダム建設にあたっては1985年に環境アセスメントを行っていますが、環境予測や保全対策に割いた記述はわずか11㌻分。データ不足が指摘されています。 国交省は専門家による環境評価委員会を開催。しかしこの委員会の出席者のほとんどが名前も肩書もわからない匿名の「専門家」によるもの。その公正さに疑問の声があがっています。 |
「暫定水利権」とは 暫定水利権とはダムを造る前提で一時的に許可された取水権のこと。八ツ場ダム事業に参加する県には、すでに開発された農業用水を冬期だけ転用しているところがあります。 群馬県の大沢正明知事は「暫定水利権は終わる」と発言。同ダム建設を中止すると、暫定水利権が取り消され、水不足が起きるかのように主張しています。 しかし同ダム建設を中止してもこうした水源が存在していることに変わりはありません。しかも冬期の農業用水は農閑期で余裕があります。 今ある十分な水源をいかし、水利権の運用を改めれば、同ダムを中止しても解決可能な問題です。 |