岡山放送局

2009年10月15日 19時1分更新

壁画剥落の千足古墳調査進む


岡山市にある国の史跡、「千足古墳」の調査で古墳の内部の石に刻まれた貴重な装飾がはがれ落ちていることがわかり、岡山市は保存や修復方法について検討を始めました。

千足古墳は古墳時代の5世紀後半につくられたと見られ、石室内部の石の表面には直線と弓なりの線で複雑な模様の装飾が刻まれている、貴重な遺跡です。

岡山大学の調査チームがこの装飾を含めた古墳の内部の様子を3次元の立体的な映像で記録しようと石室に2メートルの高さまでたまった水を今月、22年ぶりに抜き取ったところ、装飾の下半分がはがれ落ちていることがわかりました。

岡山大学の調査は、15日、専門の業者が元のデータとなる写真、およそ300枚を撮影し終え、今後は、コンピューターで映像をつくる作業が行われます。

古墳を管理している岡山市は保存や修復に向けて文化庁と相談を始めていて、今回の調査で得られたデータも活用される見通しです。

調査を行っている岡山大学の新納泉教授は、「美しい模様を3次元の映像にして多くの人に見てもらいたかったが、大きくはがれ落ちており深刻な状況だ。古墳の内部全体がもろくなっているので、抜本的な保存対策が必要だ」と話しています。