県警交通指導課は、飲酒運転取り締まり強化期間とした7~8月の取り締まり状況をまとめた。今年6月から道路交通法が改正され、飲酒運転など悪質な運転の罰則が強化されたが、同期間の違反者は213人で昨年同期比73人増と、一向に減少する気配はない。県警は県議会文教公安委員会で県議らにも飲酒体験を行ってもらうなど、飲酒運転防止対策の周知を図っている。
6月の道交法改正では、酒酔い運転や酒気帯び運転などの行政処分点数が引き上げられ、運転免許の欠格期間を最長5年から10年に延長。また免許取り消し後、再び免許を取ることができるようになるまでの「欠格期間」は、酒酔い運転で死亡ひき逃げ事故を起こすと最長5年から10年に引き上げられた。
まとめによると、違反者213人の内訳は男性177人、女性36人となっており、そのうち30代が60人、20代が51人と全体の約半数を占め、40代も44人と増加傾向にある。違反時間帯は深夜(午前0時から同5時まで)が約半数だが、アルコールが残った状態が多い午前8時から同11時までの検挙も増加している。
飲酒運転の理由としては(1)目的地まで距離が短いか、極端に遠いから(44人)(2)気を付ければ大丈夫(40人)(3)タクシー・代行料金がもったいない(37人)(4)捕まらなければいい(34人)―が主な理由で、昨年同期とほぼ同様の傾向。
また検挙されないと思った理由については(1)ここで取り締まりをしたことがない(55人)(2)裏通りだから(2)時間が早いから(2)警察も休んでいる時間だと思ったから(それぞれ38人)―となっている。
県警は飲酒運転根絶に向け、さまざまな取り組みを行っている。9月18日に行われた県議会文教公安委員会では、県議らにも飲酒運転の怖さを知ってもらおうと、酒酔い運転の違反者に対する違反者講習で使われ、酒を飲んだのと同じ感覚にする「酒酔い体験ゴーグル」が紹介された。
県議らはゴーグルを着けたままキャッチボールなどを行ったが、思うようにボールをつかめず悪戦苦闘。またスラローム歩行ではうまく感覚がつかめず、ふらふらの状態で歩く県議が続出した。
三橋一三委員長(つがる市)は「このゴーグルを使った講習を違反者講習だけでなく、新規免許取得者にも体験してもらうことが飲酒運転根絶に有効と思う」と話していた。