<< 2009年10月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

オバマ大統領へのノーベル賞をオバマ支持者が非難した

2009/10/15 06:38

 

オバマ大統領へのノーベル平和賞授与に対して、アメリカでは複雑な反応が渦巻き、とくに反オバマ勢力といえる保守派や共和党支持層からの揶揄や批判はきわめて広範でした。

 ([佐藤栄作首相もノーベル平和賞を受賞しました)

 

しかし日本のマスコミでほとん報じられていない事実は、実はこの授賞に元来のオバマ支持層からもきわめて強い反発や非難があったことです。

 

そういう批判に光りをあてた記事を書きました。

                         ======== 

 2009年10月15日

米大統領ノーベル賞授賞 “身内”から批判噴出 

 

 「ばかげている」

米国政治への干渉」

〔ワシントン=古森義久]米国ではオバマ大統領へのノーベル平和賞授与に対し本来のオバマ支持層の民主党系やリベラル派からも批判や当惑が噴出した。

 

授賞の理由が不当だとか、大統領をかえって傷つけ、政治的に不利にするという負の反応だが、今回の選考は批判が反オバマ陣営だけに留まらない点にも異端さを露呈したといえる。

 

民主党元上院議員で昨年の大統領選ではオバマ候補を支持したボブ・ケリー氏はウォールストリート・ジャーナル11日付への寄稿で「ノーベル委員会はオバマ氏への授賞でアフガニスタンについての米国の政策議論に影響を及ぼそうと意図したのだろうが、この議論が終わるまで待つべきだった」と批判的に論評した。

 

ケリー氏はノルウェーの同委員会がこの授賞でオバマ大統領にアフガン放棄をうながすのだろうと示唆し、この種の動きによって同大統領がアフガン民主化の誓約を破る恐れが生まれた、と論じた。

 

もっと率直な反対論者はリベラル派の女性コラムニストのルース・マーカス記者だった。

 

ワシントン・ポスト10日付コラムに「この授章はばかげている。恥ずかしい」と書いた。

 

同記者はオバマ氏を礼賛し、選挙では投票したことを明記したうえで「この賞はなにかを達成したことに与えられるはずなのに、オバマ大統領はまだなにも達成していない。『各国の国民の協力を強化―?』 おお、やめてほしい。こんな受賞はノーベル賞を参加者の全員を勝者とする、ちびっ子サッカーにしてしまう」とまで批判した。

 

マーカス記者は「反オバマ派はこの授賞を利用して『オバマを救世主とみる信者たち』への攻撃をうまく強めるだろう」との懸念をも表明した。

 

ワシントン・ポストの民主党系の外交コラムニスト、ジム・ホーグランド氏も11日の記事でこの授賞を「米国の政治への干渉」と評し、善意からでも「意図しない不測の結果をもたらす」として、「この早計な授賞がオバマ氏を過信させ、こんごのアフガニスタン作戦などで強硬すぎる行動をとらせかねない」という懸念を述べた。

 

同記者はオバマ大統領が「中国の独裁者の機嫌を損なうことを恐れて」チベットのダライ・ラマとの会談を避けたことをも平和賞にそぐわない行動として批判した。

 

ニューヨーク・タイムズのリベラル派の外交コラムニスト、トーマス・フリードマン記者は12日付の同紙で「ノーベル委員会はオバマ大統領に早まって平和賞を与えることで同大統領に害を及ぼした」と書き、「世界で最重要な賞がこのように価値を落とすことには私も落胆した」と述べて、オバマ氏が受賞にふさわしい行為はまだしていないと批判的に論じた。

 

昨年の大統領選でオバマ候補支援を打ち出したワシントン・ポストは10日社説で「この奇妙なノーベル賞は受賞者にとって恥ずかしい」と述べ、「オバマ大統領は就任9カ月でも依然、目標は目標のままだからだ」として受賞にふさわしい業績がないことを提起した。

 

                        =======

 

カテゴリ: 世界から    フォルダ: 指定なし

コメント(16)  |  トラックバック(6)

 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/trackback/1272303

コメント(16)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2009/10/15 08:48

Commented by siegfried さん

 ひいきの引き倒しにならないのがアメリカの良いところですかね。翻って日本ではまだ鳩ポッポ兄の礼賛がちまたに満ちあふれています。マスコミは無定見で財源無視のマニュフェスト連発で結局赤字国債の増発しかなすすべがない体たらくをもっと強く批判すべきです。産経は頑張っているようですが、如何せん読者数が少ない。

 
 

2009/10/15 09:13

Commented by michikusa さん

何の実績も無いのに受賞? という疑問は当然かも知れませんが 世界を動かすきっかけを作った事は評価される事だと思われます。  日本で始めてノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士の 中間子論は 中間子の存在を予言しただけで受賞しました。  未来に向けて目を向けると言うことにノーベル賞は評価を与えるのです。  政治的には 当然オバマ大統領に これからも平和への貢献を期待すると言う ある意味 プレッシャーを与える目的も有ったと思われます。  それはそれで平和への道筋を付けると言う目的で有る訳で 当然有っても良い事だと思われます。    

 
 

2009/10/15 09:39

Commented by 古森義久 さん

siegfried さん

世の中を変えていくのは、いつも最初は少数派です。

野党がもっとしっかりしてほしいですね。

自民党を支持する気にもなりませんね。

The lesser of two evils とさえいえるかどうか。

でも書きたいことが自然にわいてくるので、活力を感じる今日このごろです。

 
 

2009/10/15 09:40

Commented by 王マイゴッド さん

古森様 おはようございます。

いつも精力的な貴重な報道ありがとうございます。

今回のオバマ氏の受賞は、ノーベル賞というものを
私のようにすでに批判的に見ている者だけでなく、
逆に、平和に貢献した人に与えられる権威ある賞だと、
まじめに信じている人々に対しても失望を与えるものでしたね。

何も考えずに権威を妄信している人々や
何も考えずにリベラルが平和勢力だと妄信している人々だけが
喜ぶ受賞ではありました。

確実にいえることは、
ブッシュブッシュアメリカがいかに巨大な存在であり、
サヨクリベラルがいくらブッシュを罵ろうと、
彼らの見識がその程度しかないのだ、と
改めて証明されたということであり、同時に、
選考委員がいかにちっぽけな存在でしかなく、
そのことを選考委員が自ら示した、ということです。

 
 

2009/10/15 09:41

Commented by 古森義久 さん

michikusa さん

一理も二理もあるご意見だと思います。

ただしアメリカ側で、オバマ支持派からも、そのようには考えない見解がかなり幅広く表明されていることも事実なのです。

 
 

2009/10/15 09:45

Commented by 古森義久 さん

王マイゴッド さん

ノーベル平和賞に対して、以前からアメリカのかなりの部分に存在したシニシズムが今回の選択で一挙に広まったといえるようです。

あなたの反応もまさにそんな感じですね。

 
 

2009/10/15 10:14

Commented by bakaichi さん

>古森様
全く同じ想いをあの戴冠の時に感じました・・・
僭越ながらトラックバックさせて頂きました。
オバマ大統領にとっては、どうBRICS勢の経済的興隆の状況に対し
アメリカをはじめとする西欧社会の地位を延命するかの数少ない戦術の一つとして受け容れざるを得ない部分もあったのでしょうが・・・
正に西欧の呻きに近いものを感じます。

 
 

2009/10/15 10:23

Commented by 王マイゴッド さん

To 古森様

>ノーベル平和賞に対して、以前からアメリカのかなりの部分に存在したシニシズムが今回の選択で一挙に広まったといえるようです。
>
>あなたの反応もまさにそんな感じですね。

返信ありがとうございます。

私は反核、反戦、平和、人権といったことは大好きで全て支持します。
なのになぜブッシュを支持しリベラルやサヨクに反発するかと言うと、
それは彼らが表面的なきれいごとしかいわず、
実は彼らは、ある一方の勢力の弾圧や虐殺や人権侵害に対しては
見て見ぬ振りを決め込んで、無視しているからです。
それで自分は平和主義者だとのうのうと嘯いているからです。

オバマ政権も、チベットやウィグルを無視しています。
だからイグ・ノーベル賞こそふさわしい、とも言います。

ついでに言いますと、湯川秀樹氏は中間子の存在を予言し、
その後存在が確認され、文化勲章も受けた後に受賞しています。

ノーベル賞のすごいところは、画期的な発明の源流は誰なのか、を
さかのぼって探り当てるところです。ここは私も評価します。
だから日本の一会社員が受賞したりします。

核なき世界が実現したあとに、
核廃絶を昔から訴え続けていた広島市長が受賞するのなら、
私は政治思想はたとえ違っても、
広島市長を祝福することにやぶさかではありません。

 
 

2009/10/15 12:04

Commented by koku さん

訪米中の長島昭久防衛政務官は14日、米ホワイトハウスのジョーンズ米大統領補佐官 (国家安全保障問題担当)や国防総省のマレン統合参謀本部議長らと相次いで会談、 インド洋で海上自衛隊が従事する給油活動から来年1月に撤収する方針を伝達した。

いつか江戸の仇を長崎あたりで取られるんでしょうね。

 
 

2009/10/15 12:41

Commented by マリーヤ さん

>同記者はオバマ大統領が「中国の独裁者の機嫌を損なうことを恐れて」チベットのダライ・ラマとの会談を避けたことをも平和賞にそぐわない行動として批判した。
ーーーーーーーーーー

皆、ダライ・ラマの半分神様の身分を忘れていませんか、チベット本土で30歳まで居られなかったダライ青年も、仏教を捨てていたインドで受けた帝王教育は、どこか欠けていると感じます。

それにしても、小浜青年は、嬉しかっただろう。平和のために、ノーベル陣営からの助力は、ある程度効いてくるかもしれません。

地球のためになることで、米国人も自信を持ちましょう。

 
 

2009/10/15 12:49

Commented by マリーヤ さん

ダライ・ラマは、お釈迦様の力を頼らずに、米国の歴代親方のイタズラを頼るのは、致命的なミスだと思います。

言い換えれば、ダライ・ラマとノーベル委員達は、共にシナ春秋戦国の思想家の哲学に中毒し過ぎた部分が感じられます。

ノーベル平和賞で政治を動かすことを狙うなら、平和賞をサブ賞を分けたほうがよろしいだと思います。

例えば戦争中止賞、環境破壊停止賞、児童女性保護賞、テロリスト発見賞とか、導入すべきだと思います。

 
 

2009/10/15 13:18

Commented by しゅん さん

To 古森義久さん

 非常に納得性の高い記事ですね。共和党、あるいはその系列の者がいくら批判しても、大したことはありませんが、身内から批判を受けると言うのは、余程のことですか。医療保険制度しかり、その他の政策しかりで、オバマ政権の先行きを占う(勿論、予測すると言う意味で、鳩山夫人の方ではありません。)には、十分な情報です。決して望んでいる訳ではありませんが、かなりの確率で訪れると予測されている、2番底が来ると、中国も、オバマ政権も、無事では済まないのではないでしょうか。
 ダライ・ラマ14世睨下は、オバマ氏が面会を先延ばししたことを、精一杯庇って居られますが、「配慮」と言えば格好良いものの、結局オバマ大統領は、中国のご機嫌を損ねることを「恐れた」訳で、合衆国大統領の名を、「coward」なんて言葉でけがすことのない様にしてもらいたいものです。その他にも多数兆候がありますが、結局、合衆国大統領の権威低下は、テロリスト(勿論北朝鮮を含みます)を付け上がらせ、同盟国である我が国の安全保障に直結しますから、勘弁してもらいたいものです。

 
 

2009/10/15 13:36

Commented by しゅん さん

To michikusaさん

 初めまして。
 申し訳ないのですが、巧妙な嘘を付いて、オバマを擁護し、あまつさえ、我が国の誇り、湯川秀樹博士を侮辱するのは止めてもらえませんか。
 私これでも、小川先生の教え子なので、良く知っているのですが、先ず第一に、湯川博士の受賞は、1949年で、これは、1947年にパウエル等によって、実際にπ中間子を発見した「後」のことです。つまり、実績として受賞したのであって、決して「予言した」だけで受賞したのではありません。
 また、湯川博士の貢献は、鳩山夫人の様な夢で見たと言うような「予言」ではなくて、1934年に書いた、「中間子理論構想」、翌1935年の「素粒子の相互作用について」の中での話しであって、中間子(現在のπ中間子)の存在を理論的に導出し、まだ未発見だが、ないとおかしい、あるはずだと予測したことを「予言した」と言っているだけで、この予言が理論的にも正しく、信憑性が高かったからこそ、世界中の学者が金と知恵をつぎ込んで、π中間子の実在を観測により実証しようとしたのです。
 オバマのプラハ演説のように、「自分の生きてるうちに実現できるとは思わない」ような、妄想に近いような願望とは、全然次元の違う話です。
 私は、日本国民の一人として、我が国が誇る、偉大な物理学者への侮辱にに対して、謝罪を求めます。

 
 

2009/10/15 13:43

Commented by temple さん

古森記者こんにちは

オバマや日本の左翼(当然民主党を含む)の幼稚さ・稚拙さは、核を廃絶した後の安全保障の世界的ビジョンをまったく示していないことです。核廃絶後、最悪の戦争を何をもって抑止するかということです。

20xx年1月1日に世界中の核が廃絶され、世界核廃絶宣言が行われたとしても、もし中国が核ミサイルをを四川省の山奥深くに100発隠し持ち、20xx年1月2日にすべての核ミサイルをアメリカに撃ちこんできたら、アメリカという国家は報復も出来ず、地球上から消えてなくなるでしょう。

核兵器がなくなりさえすれば平和が訪れるという発想はバカの発想だと思います。一度開発された核兵器製造の技術が消えてなくなるわけでもありませんし。

オバマは幼稚なことを言っていたので、ヨーロッパ社会からあげ足をとられましたね。オバマのノーベル賞にはベルススコーニの「日焼けしている」発言と同根のものを感じます。ようするにヨーロッパを中心にアメリカ大統領がもはや世界中から完全になめられているので、オバマはノーベル賞をとったんだろうと私は勝手に考えています。

 
 

2009/10/15 15:28

Commented by 西田三郎 さん

>でも書きたいことが自然にわいてくるので、活力を感じる今日このごろです。


ファギャ。躁病じゃねーの?(嘲)

しっかしまあ、あまたある情報のなかでも特に批判的なものばかりを
サンプリングして、現政権がいかに国民の考えと乖離しているか、
ってーなことを好んでやるのは昔はサヨクの手口だったけどな(嘲)


ところでどうなのかね?

カトリーナ台風の時みたいに、今んとこアメリカでオバマを
吊るし上げようとしてる連中は、『古森フィルター』では
100%白人だったりするわけかい?(嘲)

 
 

2009/10/15 16:19

Commented by 西田三郎 さん

おらよ、あんたが寝てる間にトラバもう一発(嘲)

 
 
トラックバック(6)

2009/10/15 09:40

縁日の夜店じゃあるまいし・・・ [yomayoinews]

 

さーーーオネーチャン そこに立ったら後ろのおじちゃんが見えないから・・ 前にすわんな・・・ あーー良い子だ さて・・・話の続きだ・・ ・・・て具合で、なんとあの「オバマ」のあんちゃんがノーベル平和賞を貰っ…

 

2009/10/15 09:41

西欧の呻吟無意味な戴冠の儀式 [yomayoinews]

 

オバマ米大統領のノーベル賞の意味は・・・・ 呻吟する欧米社会の最大にして唯一可能な冗談であった。 オバマ氏が優秀な政治家であり天才的演説者である事はいうまでもなく世界がそれを認めるところである。 だが、…

 

2009/10/15 11:42

長野聖火リレーを忘れるな! [花うさぎの「世界は腹黒い」]

 

在日中国人が「中国人参政支援協会」 日本解体に直結する外国人参政権!      前回に続いて、 激論ムック「迷走 日本の行方」 から一昨年に日本人に帰化した石平氏の寄稿をご紹介します。エントリー下段でリンク…

 

2009/10/15 15:05

ノーベル賞便乗スパム [Kyan's BLOG IV]

 

オバマ大統領ノーベル賞便乗スパム、クリックでマルウェアに感染 - ITmedia NewsMcAfeeによると、問題のメールは「Barack Obama Wins The Nobel Prize ...

 

2009/10/15 15:28

米国からのファギャ・ニュース(嘲) [坑外のカナリアもさっき死にました…]

 

オバマ称賛歌は「思想教化」=合唱の小学校に抗議-米 10月14日6時39分配信 時事通信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091014-00000016-jij-int 【ニューヨーク時事】米ニュージャージー州の小学校で、オバマ大…

 

2009/10/15 16:19

イラクより日本が大惨事(嘲) [坑外のカナリアもさっき死にました…]

 

イラク>テロや戦闘の死者8.5万人 約5年間で 10月15日12時31分配信 毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091015-00000041-mai-int  【アレッポ(シリア北部)和田浩明】イラク人権省は13日、0…